下山村 (愛知県東加茂郡)

下山村の概要

下山村（しもやまむら）は、かつて愛知県東加茂郡に位置していた村です。2005年に藤岡町や小原村、足助町、旭町、稲武町と共に豊田市に編入され、村としての歴史に幕を閉じました。

地理

下山村は愛知県のほぼ中央にあり、北東部には山地が広がり、その他の地域には小さな起伏が続いています。この村は美濃三河高原に含まれ、平坦地に小さな集落が点在する形態をとっていました。1889年から1956年にかけて、隣接する額田郡にも同名の下山村が存在しました。

湖沼

• - 三河湖: 1962年に完成した羽布ダムによって作られた人工湖。
• - 根池: 村に伝わる伝承が残る池です。

河川

• - 巴川: 矢作川の支流で、村の重要な水系を形成しています。
• - 郡界川: 巴川の支流であり、その長さは23.7kmにも及び、かつては額田郡と東加茂郡の境界を形成していました。
• - 野原川: 巴川の支流で、長さは5.63km、流域面積は22.3km²です。

山岳

• - 炮烙山: 高さ684mで、下山村と足助町の境界にあります。
• - 六所山: 高さ611mの山で、こちらも同様に境界を形成しています。

峠

• - 根引峠: 国道301号上の峠で、昔は「加茂の箱根」とも称されていました。

歴史

江戸時代において、下山村の地域は旗本や寺社領として形成されており、また後に旧額田郡も岡崎藩や旗本が関与していました。1889年の町村制施行に伴い、東加茂郡の下山村や額田郡の同名の村が発足し、1906年には合併により新たな下山村が成立しました。

村の歴史では、1956年に額田郡から一部を編入し、人口は6725人に達しました。その後、村制の周年記念や、羽布ダムの建設など様々な出来事がありました。

2005年には、藤岡町などと共に豊田市に編入されたことで、村は消滅しました。これにより、下山村の役場や各種施設も新しい市の行政に統合されました。

教育

下山村には高校は存在しませんでしたが、中学校として下山中学校が1971年に設立され、2005年まで運営されていました。また、下山村立の小学校としては大沼小学校などが存在しました。2006年には、これらの小学校が統合され、豊田市立巴ヶ丘小学校が設立されました。

文化

下山村は、三河万歳という伝統的な芸能があり、無形文化財として指定されています。また、地元食材を利用したグルメとして、五平餅やどて煮が有名です。

名所・旧跡

寺院や神社も数多く存在し、下山村には浄土真宗や曹洞宗など多様な宗派が見られました。特に、等順寺のイチョウや易往寺のクロガネモチは天然記念物として保護されています。

観光スポットとしては、三河湖や手づくり工房山遊里などがあり、訪れる人々に自然や地域文化を体験させる施設が充実しています。

交通

下山村内に鉄道路線は存在しませんでしたが、名古屋鉄道の豊田市駅が最寄りでした。道路交通に関しては、国道301号や420号などが通り、周辺地域へのアクセスが確保されていました。

まとめ

下山村は、地理的な特徴や豊かな文化歴史を持ち、今もなお地域の人々の記憶の中に息づいています。豊田市に編入された今も、下山村の名は多くの人々の間で語り継がれています。

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