下志比駅

下志比駅：福井の静かなローカル駅

福井県吉田郡永平寺町谷口に位置する下志比駅は、えちぜん鉄道勝山永平寺線沿線にある無人駅です。駅番号はE13。のどかな田園風景が広がるこの駅は、地域の生活を支えるとともに、歴史を感じさせる面も持ち合わせています。

歴史：激動の時代を乗り越えて

下志比駅の歴史は、1951年12月15日に京福電気鉄道越前本線の駅として開業したことに始まります。当時は東古市駅（現在の永平寺口駅）と光明寺駅間に位置し、多くの乗客で賑わった時代もありました。しかし、1975年6月1日には駅業務が廃止され、無人駅となりました。

大きな転換期が訪れたのは2001年。京福電気鉄道越前本線で発生した列車正面衝突事故の影響を受け、下志比駅も全線運行休止により一時休業を余儀なくされました。この事故は、地域の鉄道交通に大きな打撃を与えました。

その後、2003年2月1日に京福電気鉄道からえちぜん鉄道へ駅施設が譲渡され、同年10月19日には永平寺口駅～勝山駅間の運行再開に伴い、営業を再開しました。幾多の困難を乗り越え、現在も地域住民の足として役割を果たしています。

駅構造：シンプルな造り

下志比駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。無人駅であるため、駅員は配置されていません。ホーム上には簡素ながらも利用客のための待合室が設けられ、ホーム両端に出入口があります。東側出入口にはスロープも設置されているため、車椅子などでの利用も比較的容易です。簡素ながらも利便性を考慮した設計となっています。

利用状況：地域に根付いた存在

下志比駅の1日あたりの平均乗降人員は、公開されているデータからは具体的な数値が確認できません。しかし、周辺環境を考慮すると、地元住民の利用が中心であると考えられます。地域の生活路線として、着実にその役割を果たしていると言えるでしょう。

駅周辺：静かな環境

下志比駅周辺は、静かで落ち着いた雰囲気の場所です。国道416号線が近くを通っており、交通のアクセスは比較的良好です。また、志比郵便局や永平寺町立志比小学校といった公共施設も近くにあります。九頭竜川も近くを流れ、自然豊かな環境も魅力です。

隣の駅

下志比駅に隣接する駅は、以下の通りです。

えちぜん鉄道勝山永平寺線
普通列車：永平寺口駅 (E12) - 下志比駅 (E13) - 光明寺駅 (E14)
快速列車：下志比駅は通過します。(上り方面のみ運行)

参考文献

下志比駅の歴史や現状を理解する上で、下記の文献が役立ちます。

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
* 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

これらの文献には、下志比駅を含む京福電気鉄道やえちぜん鉄道の歴史、路線図、駅周辺の様子などが詳細に記録されています。

まとめ

下志比駅は、歴史と自然に囲まれた静かな無人駅です。地域の生活に密着した存在であり、これからも地域の大切な拠点として、その役割を果たしていくことでしょう。

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