光明寺駅

光明寺駅：歴史と静寂が漂うえちぜん鉄道の駅

福井県吉田郡永平寺町光明寺に位置する光明寺駅は、えちぜん鉄道勝山永平寺線沿線にある無人駅です。駅番号はE14。のどかな田園風景が広がるこの地で、長きに渡り地域住民を見守ってきました。

開業から現在まで：激動の時代を刻む

光明寺駅の起源は、1920年（大正9年）に京都電燈越前電気鉄道によって開業されたことに遡ります。当初は永平寺駅（現在の永平寺口駅）と轟駅を結ぶ路線上に設置されました。その後、1942年（昭和17年）には京福電気鉄道へと運営が移管され、越前線（後の越前本線）の駅として新たな時代を迎えます。

1956年（昭和31年）には無人駅となり、駅員の姿はなくなりましたが、地域住民の足として利用され続けました。しかし、2001年（平成13年）に発生した京福電気鉄道越前本線列車衝突事故により、全線運行が休止。光明寺駅も休業を余儀なくされました。

この事故を機に、京福電気鉄道からえちぜん鉄道へと運営が移管され、2003年（平成15年）2月1日にえちぜん鉄道勝山永平寺線の駅として新たなスタートを切りました。同年10月19日には、永平寺口駅 - 勝山駅間の運行が再開され、光明寺駅も営業を再開。歴史と変化の軌跡を刻む駅として、現在に至っています。

駅舎と周辺環境：静寂と自然に包まれた空間

光明寺駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅です。無人駅のため、駅員の姿はありませんが、白く塗られた壁の待合室が、訪れる人を静かに迎えます。ホームからは、のどかな田園風景を一望でき、四季折々の自然の移ろいを感じることができます。

駅周辺は、道幅が狭く、自動車のすれ違いが困難な場所です。しかし、その分、静寂に包まれた落ち着いた雰囲気があり、都会の喧騒を離れてゆっくりと過ごしたい人にとって魅力的な空間となっています。国道416号や九頭竜川も近くを流れ、自然豊かな環境に恵まれています。また、城山（じょやま）登山口も近隣にあり、越前波多野氏の居城跡を訪れる観光客にも利用されています。

利用状況とアクセス：地域住民の生活を支える

光明寺駅の1日の平均乗降人員は、公開データからは具体的な数値までは把握できませんでしたが、周辺住民の生活を支える重要な役割を担っていることは間違いありません。 静かな佇まいとは裏腹に、地域にとって欠かせない交通拠点なのです。

隣の駅

下志比駅 (E13)：下り方面
轟駅 (E15)：上り方面

快速列車は上り方面のみ通過します。

資料

光明寺駅の歴史や現状を知る上で、以下の文献が役立ちます。

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

これらの資料から、光明寺駅の変遷や周辺環境の詳細をより深く知ることができます。 歴史と自然が調和する、そんな光明寺駅の魅力を改めて感じさせてくれるでしょう。

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