下間頼慶

下間頼慶

下間頼慶（しもつま らいけい）は、戦国時代の武将であり、本願寺の坊官として活躍しました。下間頼善の次男として生まれ、頼玄の弟にあたります。光頼、真頼、融慶の父でもあります。通称は源四郎、左衛門大夫、上野介。法名は蓮秀で、後に法眼に任ぜられました。

生涯

実如への仕官と河内国錯乱

頼慶は本願寺第9世法主である実如に仕えました。永正3年（1506年）に発生した河内国錯乱では、摂津・河内の門徒が実如の異母弟である実賢を擁立し、法主交代を要求しました。この事件において、頼慶は実如の命令を受け、実賢、実順、実従らを捕らえるという重要な役割を果たしました。

享禄・天文の乱と本願寺からの退去

実如から孫である第10世法主証如の補佐を命ぜられた頼慶でしたが、享禄・天文の乱に際して、甥の下間頼秀・頼盛兄弟との確執が生じました。その結果、長男の光頼や興正寺蓮秀と共に本願寺を退去することとなりました。

本願寺への帰参と和睦交渉

天文4年（1535年）、証如が敵対していた細川晴元との和平を結ぶと、主戦派として失脚した頼秀・頼盛兄弟に代わって、頼慶は本願寺へ帰参しました。そして、和睦の使者として晴元の元へ赴き、幕府領における違乱を働く門徒の抑制や、諸大名との外交に尽力しました。

奏者就任と下間氏宗家

天文5年（1536年）には奏者に就任し、証如の指示により下間氏の宗家の座に着くこととなりました。天文9年（1540年）には法眼に任ぜられ、その地位を確立しました。

死去

天文10年（1541年）に死去し、その後は光頼が家督を継ぎました。

下間頼慶は、本願寺における内紛の鎮圧や外交交渉など、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、本願寺の発展に大きく貢献した人物として評価されています。

参考文献

峰岸純夫編『戦国大名論集13 本願寺・一向一揆の研究』吉川弘文館、1984年。
辻川達雄『本願寺と一向一揆』誠文堂新光社、1986年。
* 柏原祐泉・薗田香融・平松令三監修『真宗人名辞典』法藏館、1999年。

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