丑木幸男

丑木幸男

丑木幸男（うしき ゆきお、1944年3月17日 - ）は、日本の著名な地方史学者であり、国文学研究資料館および総合研究大学院大学の名誉教授を務めています。彼の専門は日本近代地方政治史であり、特に群馬県を中心とした地域社会の歴史や構造に関する研究で高い評価を受けています。

生い立ちと学歴

丑木幸男は1944年、群馬県高崎市に生まれました。地元の名門校である群馬県立高崎高等学校を卒業後、東京教育大学（現在の筑波大学）に進学し、文学部史学科日本史学専攻で学びました。大学では、日本史学の基礎を深く学び、後の研究活動の基盤を築きました。

職歴と研究活動

大学卒業後、丑木幸男は群馬県内の教育機関で教鞭を執りました。群馬県立武尊高等学校、群馬県立渋川女子高等学校、群馬県立中央高等学校を経て、群馬県史編纂室に勤務し、群馬県の歴史に関する資料の収集、整理、研究に携わりました。この経験が、彼の地方史研究への関心を深めるきっかけとなりました。

その後、国文学研究資料館に移り、史料館長、教授、総合研究大学院大学教授を歴任しました。2006年に定年退官し、名誉教授となりました。1994年には、「石高制確立と在地構造 上州沼田藩を事例として」というテーマで筑波大学から文学博士の学位を授与されています。

研究内容

丑木幸男の主要な研究テーマは、日本近代地方政治史です。特に、石高制の確立が地域社会に与えた影響や、地方名望家の役割、近代政党政治と地域社会の関係などについて、詳細な史料分析に基づいた研究を行っています。彼の研究は、地域社会の歴史的変遷を理解する上で重要な貢献をしています。

著書

丑木幸男は、数多くの著書や論文を発表しています。以下に代表的な著書をいくつか紹介します。

『岡登用水史』
『磔茂左衛門一揆の研究』
『蚕の村の洋行日記 上州蚕種業者・明治初年の欧羅巴体験』
『石高制確立と在地構造』
『地方名望家の成長』
『志士の行方』
『評伝高津仲次郎』
『近代政党政治家と地域社会』
『戸長役場史料の研究』
『群馬県兵士のみた日露戦争』

これらの著書は、彼の研究成果を広く社会に伝えるとともに、地域史研究の発展に大きく貢献しています。

共編著

『代官岡上景能』萩原進共著
『大正用水史』編
『群馬県の百年』宮崎俊弥共著
『上野国郡村誌 18 総索引』編
『上野国郷帳集成』編
『上野国寺院明細帳』全8巻 編
『群馬県の歴史』西垣晴次・山本隆志共編
『高津仲次郎日記』全3巻 編
* 『上野国神社明細帳』全25巻 編

論文

丑木幸男は多数の論文を発表しており、その研究成果は学術雑誌等で広く公開されています。

丑木幸男の研究は、地域史研究の深化に大きく貢献しており、彼の業績は今後も長く評価され続けるでしょう。

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