西垣晴次

西垣晴次（にしがき せいじ）は、1929年2月24日に生まれ、2013年1月6日に亡くなった日本の歴史学者です。東京出身で、東京文理科大学史学科を卒業後、群馬大学で長年にわたり教鞭を執り、名誉教授の称号を得ました。また、日本学術会議会員としても活動し、日本の学術研究の発展に貢献しました。専門分野は日本宗教史であり、特に中世社会における神社や民衆運動の研究において重要な業績を残しました。

西垣晴次は、1977年に東京教育大学から文学博士の学位を授与されました。学位論文は「中世社会の展開と神社の研究」であり、この研究は彼のその後の研究活動の基礎となりました。また、地方史研究にも力を注ぎ、地域社会の歴史的特性を明らかにするための活動も行いました。1980年には、日本学術会議会員として「文書館法の制定について（勧告）」の成立に寄与し、歴史資料の保存と活用を推進しました。

彼の著書には、『ええじゃないか 民衆運動の系譜』、『神々と民衆運動』、『地方史入門』、『お伊勢まいり』などがあります。これらの著作は、彼の研究テーマである宗教と民衆運動、地方史への深い関心を反映しています。特に『お伊勢まいり』は、伊勢信仰と庶民の生活を考察した名著として広く知られています。また、共編著として『三重県の歴史』や『群馬県の歴史』など、地方史研究においても数多くの業績を残しました。さらに、『民俗資料調査整理の実務』のような実践的な書籍も手掛け、地方史研究の発展に貢献しました。

西垣晴次の研究は、単に過去の歴史を解明するだけでなく、現代社会における歴史の意義を問い直すものでもありました。彼の著作や研究活動は、日本の歴史学研究に大きな影響を与え、後進の研究者たちに多くの示唆を与え続けています。


主な著書

『ええじゃないか 民衆運動の系譜』新人物往来社 1973
『ええじゃないか　民衆運動の系譜』講談社学術文庫 2021
『神々と民衆運動』毎日新聞社 1977　江戸シリーズ
『地方史入門』新人物往来社 1977
『お伊勢まいり』岩波新書黄版 1983

共編著

『三重県の歴史』松島博共著　山川出版社 1974　県史シリーズ
『民俗資料調査整理の実務』編　柏書房 1975　地方史マニュアル
『図説日本の歴史 10　図説群馬県の歴史』責任編集 河出書房新社 1989
『神道大系 神社編 25　上野・下野国』小林一成共校注 神道大系編纂会 1992
『群馬県の歴史』山本隆志、丑木幸男共編　山川出版社 1997、新版2013　県史シリーズ
『日本文化史ハンドブック』阿部猛共編　東京堂出版 2002
『明治初期宗教資料 明治元年～明治一七年』校訂 鹿沼市史編さん委員会編　鹿沼市「同・史叢書」 2004

記念論集

『宗教史・地方史論纂 西垣晴次先生退官記念』西垣晴次先生退官記念宗教史・地方史論纂編集委員会編　刀水書房　1994


参考文献
『お伊勢まいり』著者紹介
* 有元修一「西垣晴次氏の訃(学界消息)」『日本歴史』第779号、吉川弘文館、2013年、141頁。

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