世田谷区立用賀小学校

世田谷区立用賀小学校

世田谷区立用賀小学校は、東京都世田谷区上用賀六丁目に所在する公立の小学校です。戦後の児童数増加に対応するため、既存の京西小学校の分校として計画され、地域教育の一翼を担う存在としてその歴史をスタートさせました。

沿革

学校の始まりは、1955年（昭和30年）11月に京西小学校の分校新設が決定したことに遡ります。翌1956年（昭和31年）には地鎮祭と竣工式が行われ、建設が進められました。同年9月3日には、まだ校舎の一部（6教室）のみが完成した状況でしたが、京西小学校から移籍した主に低学年の児童279名を受け入れて授業が開始されました。そして、10月には校舎の落成と開校の式典が盛大に執り行われました。

開校から2年後の1958年（昭和33年）4月1日には、京西小学校から独立し、「世田谷区立用賀小学校」として新たな一歩を踏み出しました。同年10月には独立開校を記念する式典が行われ、学校のシンボルとなる校章もこの時に制定されました。1959年（昭和34年）には仮の校歌として「なかよしの歌」が作られ、学校生活に彩りを添えました。

施設の充実も順次進められました。1962年（昭和37年）6月には水泳学習のためのプールが完成し、落成式では日本大学水泳部の学生による模範泳法が披露されました。長年親しまれることになる正式な校歌は、1964年（昭和39年）2月10日に制定発表会を経て誕生しました。1965年（昭和40年）には屋内体育館が竣工し、天候に左右されない体育活動や集会が可能となりました。

児童数の増加に伴い、校舎の増築も行われました。1967年（昭和42年）にはプレハブ校舎が一時的に設置され、その後、1969年（昭和44年）に西校舎、1976年（昭和51年）に鉄筋校舎、1979年（昭和54年）には南校舎が完成するなど、近代的な校舎へと整備が進みました。この間、1967年（昭和42年）には開校10周年、1977年（昭和52年）には開校20周年の記念式典が挙行されています。1979年には南校舎完成と同時にスプリンクラー設置、体育倉庫、焼却炉も整備されました。

教育活動の幅も広がり、1982年（昭和57年）には造形砂場が設けられ、子どもたちの創造性を育む場となりました。1986年（昭和61年）からは、自然豊かな環境での学習機会として、川場移動教室が始まりました。開校30周年の式典は1987年（昭和62年）10月17日に開催されました。

施設の改修も進められ、1990年（平成2年）には石綿天井の撤去が行われ、学習環境の安全性が高められました。1991年（平成3年）にはランチルームが完成し、より快適な給食時間が提供されるようになりました。1996年（平成8年）にはプールの改修が行われ、同年5月7日には「BOP（ベースオブプレイング）」と呼ばれる放課後の子どもたちの居場所づくり事業が開始されました。開校40周年記念式典は1997年（平成9年）10月16日に執り行われました。

21世紀に入っても、地域との連携を深める取り組みや特色ある活動が生まれています。2003年（平成15年）には用賀小エイサーチームが創設され、地域のイベント等でも活躍しています。2004年（平成16年）3月には、学校と地域をつなぐ組織である「ようがコミュニティークラブ（YCC）」が設立されました。さらに、2005年（平成17年）4月1日からは地域運営学校として、地域住民が学校運営に積極的に関わる体制となりました。

2007年（平成19年）には開校50周年記念式典が挙行され、同年には「ようがの学び舎」が発足し、学校を核とした地域の学びの場が提供されるようになりました。2009年（平成21年）には「ようが学び舎生徒会」が発足するなど、子どもたちの主体的な活動も促進されています。2010年（平成22年）からは健康増進を目的とした朝ランニングが開始され、また「ようがキッズバンド」が発足するなど、音楽活動も盛んに行われています。

近年では、2017年（平成29年）11月10日に開校60周年記念式典が開催され、永きにわたる歴史を祝いました。同年には用賀小エイサーチームも創設15周年を迎えました。2023年（令和5年）8月には校舎内の内装工事が完了し、より快適な学習環境が整備されています。

アクセス

学校へのアクセスは、東急バス「用21」または「用22」系統を利用し、「上用賀六丁目」バス停で下車するのが便利です。東急田園都市線用賀駅からは、バスを利用するか、徒歩で約1.4km、約21分程度の道のりとなります。

校歌

現在の校歌は、1964年（昭和39年）に制定されました。作詞は巽聖歌氏、作曲は渡辺茂氏という、「たきび」などの童謡を手がけた名コンビによるものです。特に作曲者の渡辺茂氏は、本校で校長を務めた経験もお持ちです。

主な卒業生

用賀小学校からは、多分野で活躍する著名な卒業生が輩出されています。

乙武洋匡 - 作家、元スポーツライター（著書『五体不満足』）
堀内和一朗 - ファウストボール選手、躰道選手、精神科医（Ph・F・フォン・シーボルトの昆孫）
大栗麻未 - フリーアナウンサー（元北海道放送）
田嶋幸三 - 日本サッカー協会会長

関連項目

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外部リンク

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