中ソ不可侵条約

中ソ不可侵条約

中ソ不可侵条約（ちゅうそふかしんじょうやく）は、1937年8月21日に中華民国とソビエト連邦との間で締結された条約である。この条約は、第二次上海事変の影響で日中戦争が全面化した直後に結ばれたもので、8月29日には南京において公表されたことから、その重要性が認識されている。この条約は、一般にソ支不可侵条約とも呼ばれる。

条約の内容と影響

中ソ不可侵条約の枠組みの中で、ソビエト連邦は中国国民政府に対して空軍の支援を行うことを決定した。具体的には、Zet作戦と称される対中支援作戦が展開され、日ソ中立条約が締結されるまで続けられた。このサポートは、中国とナチス・ドイツとの関係が悪化した時期に行われ、特にドイツが満州国を正式に承認し、在華ドイツ軍事顧問団が解散したことと関連があった。新聞報道では、ソ連が日本に対抗して中国を支援することで、日本の軍事力を消耗させる意図があったとされるが、国内情勢の不安定さから思うような進展が見られなかったと伝えられた。

条約締結と同時に、ソ連は中国政府に武器を供給し始めた。具体的には、2億5000万アメリカドルの資金が供与され、ソ連からは航空機や戦車、大砲が供給された。また、約300人の軍事顧問団が中国に派遣され、その最初の団長であるワシーリー・チュイコフ大将は後にスターリングラードの戦いで名を馳せたように、中国語も堪能であった。このように、ソ連は中国にとって重火器や航空機の主要供給源となり、以後4年間は異なる国からの武器供給が難しい状況下で、ソ連の支援が不可欠となるほどだった。

国際関係への影響

中ソ不可侵条約は、イタリアの防共協定への参加を促し、ムッソリーニ首相による日本の自衛行動の正当化が進められたことも特徴的である。1937年11月6日には、日本とドイツ間の協定へのイタリアの参加が決定され、国際的な共産主義に対する牽制が強化されることとなった。この状況は、戦局に新たな影響を与え、各国の外交政策に変化を及ぼした。

結論

このように、中ソ不可侵条約は単なる軍事的支援にとどまらず、日中戦争やその後の国際関係に深い影響を及ぼした重要な合意である。中国とソ連の関係強化は、西側諸国と日本との外交関係にも影響を与え、歴史の流れを変える一因となった。

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