中世城郭研究会

中世城郭研究会について

中世城郭研究会は、1971年（昭和46年）に設立された、関東近県を中心に活動する城郭研究団体です。前身は「日本城郭学生研究会」で、創立当初はまだ一般的ではなかった「中世城郭」という用語を会の名称に用い、中世城郭の研究を専門とする団体であることを明確にしました。略称は「中城研」です。

活動内容

例会は原則として毎月第3日曜日に開催され、以下の様な活動を行っています。

冬季（11月～4月）：関東近県の城郭を対象とした現地調査
夏季（5月～10月）：会員による研究発表を中心とした室内研究会

上記の他に、年間を通して以下の様な行事も開催しています。

4月：地方の城郭を対象とした合宿調査
8月：全国の城郭研究者が集まる「全国城郭研究者セミナー」の開催
10月：一般の参加者も対象とした城郭見学会
11月：関西の城郭談話会と共同で実施する、関東関西合同合宿


また、中世城郭研究会の主要メンバーによって構成された「倭城址研究会」は、1979年に『倭城 I』を刊行し、倭城研究の先駆けとなりました。この書籍では、20以上の倭城が調査されています。さらに、1987年に刊行された全3巻の『図説中世城郭事典』では、縄張図と解説の約半分が中世城郭研究会の会員によって作成されており、その研究成果が広く知られるようになりました。

創立時の会員は約30名で、教師、会社員、自営業など様々な職業の人々が参加していました。また、城郭の保存運動にも積極的に取り組んでいました。

刊行物

中世城郭研究会は、以下の様な刊行物を発行しています。

『中世城郭研究』：1987年（昭和62年）に創刊された会誌で、毎年発行されています。
『縄張図とともに』：1991年に発行された、中世城郭研究会創立20周年記念誌です。
『東国の中世城郭』：2010年に発行された、静岡県以北の城の縄張図集です。

参考文献

倭城址研究会編『倭城 I : 文禄慶長の役における日本軍築城遺跡』倭城址研究会、1979年。
村田修三編『図説中世城郭事典』 全3巻、新人物往来社、1987年。ISBN 4-404-01425-2。
矢 (1988年10月8日). “中世の城郭にかける民間研究者の情熱”. 読売新聞 夕刊: p. 9.
八巻孝夫（編）『縄張図とともに』中世城郭研究会20周年記念誌、中世城郭研究 別冊、中世城郭研究会、1991年。
八巻孝夫「昭和40年代の城郭研究の流れについて (3)」『中世城郭研究』第14号、中世城郭研究会、2000年、ISSN 0914-3203。
高田徹「この本を読めば城郭のここがわかる」『城を歩く : その調べ方・楽しみ方』、別冊歴史読本第28巻、第7号、新人物往来社、2003年3月。
八巻孝夫「城談会対中城研十番勝負 : 城談会・中城研比較論序説」『城郭研究の軌跡と展望』Ⅱ、城郭談話会20周年記念誌、城郭談話会、2004年。
西股総生（編）『東国の中世城郭』中世城郭研究 別冊、中世城郭研究会、2010年。
八巻孝夫「中世城郭研究会新会員の募集」『中世城郭研究』第32号、2018年、63頁。
“全国城郭研究者セミナーのあゆみ”. 中世城郭研究会.
“城郭見学会案内”. 中世城郭研究会.

関連情報

日本の城 - 城郭にかかわる団体
中世城郭研究会

もう一度検索