中国大使館都内一等地買収問題

中国大使館都内一等地買収問題とは

中国大使館都内一等地買収問題とは、2011年4月26日に中国政府が東京都港区南麻布の一等地、約5,677平方メートルの土地を一般競争入札で落札したことに始まる一連の問題です。この土地は国家公務員共済組合連合会が所有していました。

同様の問題は新潟市における新潟中国総領事館の万代小学校跡地移転問題、名古屋市における名古屋中国総領事館の国家公務員宿舎跡地移転問題としても表面化しました。

経緯

2008年: 中国政府が大使館員の住宅用地として、中国大使館別館に隣接する当該敷地を取得したい意向を日本政府に打診。
2011年4月26日: 中国大使館が東京都港区南麻布の土地を60億円で落札。
2011年5月2日: 浜田和幸議員（当時）が自身のブログでこの件を公開し、政府の対応を批判。
2011年5月13日: 小野寺五典議員（当時）が衆議院外務委員会で質問。外務大臣は「適法な取得に反対する理由はない」と答弁。
2011年5月17日: 議員連盟が緊急総会を開催し、土地取得規制を求める意見が相次ぐ。
2011年5月25日: 中国大使館と国家公務員共済組合連合会との売買契約期限日。

中国政府の主張と日本側の反応

中国政府は、老朽化した大使公邸などの建設用地として取得すると説明しました。しかし、財務省は用途変更の検証が困難であることを表明しています。

関係法令

外国政府の土地取得に関しては、外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令が存在します。この政令では、財務大臣の許可が必要とされていますが、中国は財務大臣が指定する国に含まれていないため、この政令は適用されません。

批判

松原仁議員（当時）は、在中国日本大使館が中国国内での土地取得を認められていない点を指摘し、相互主義の観点から批判しました。新藤義孝議員（当時）は、土地の使途を日本側がチェックできない点を問題視しています。

小野寺五典議員（当時）は、相互主義の観点から疑問を呈し、櫻井よしこ氏は、中国公館の土地・建物の取得状況や固定資産税の免税措置などを挙げ、実質的には片務主義であると非難しています。

日本国内の中国公館

中華人民共和国駐日本国大使館
在大阪中華人民共和国総領事館
在福岡中華人民共和国総領事館
在札幌中華人民共和国総領事館
在長崎中華人民共和国総領事館
在名古屋中華人民共和国総領事館
在新潟中華人民共和国総領事館

中国国内の日本公館

在中華人民共和国日本国大使館
在上海日本国総領事館
在広州日本国総領事館
在重慶日本国総領事館
在瀋陽日本国総領事館
在青島日本国総領事館
在香港日本国総領事館

関連項目

大使館・外交特権・治外法権
嫌中
新潟中国総領事館の万代小学校跡地移転問題
名古屋中国総領事館の国家公務員宿舎跡地移転問題
* 外交関係に関するウィーン条約

この問題は、外国政府による土地取得、相互主義、安全保障など、多岐にわたる論点を含んでおり、日本における外交政策や領土問題に関する議論を深めるきっかけとなりました。

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