中央アジアの草原にて

概要

『中央アジアの草原にて』（ロシア語: В средней Азии）は、ロシア帝国の作曲家アレクサンドル・ボロディンが1880年に作曲した交響詩です。この作品は、ロシア皇帝アレクサンドル2世の即位25周年を記念する祝賀行事のために依頼され、皇帝にまつわる出来事を題材とした活人画の伴奏音楽として作曲されました。初演は1880年4月20日（新暦）にサンクトペテルブルクで、リムスキー＝コルサコフの指揮によって行われました。この作品は、フランツ・リストに献呈されています。

作曲の背景

1880年、アレクサンドル2世の即位25周年を祝うため、ロシア各地で様々な祝賀行事が開催されました。その中で、皇帝に関連する出来事を再現する活人画の上演があり、ボロディンはその伴奏音楽の作曲を依頼されました。これが『中央アジアの草原にて』が誕生したきっかけです。

楽曲構成

この交響詩は、中央アジアの広大な草原を舞台に、ロシア人と東洋人の交流を描いています。楽曲は、まずロシアを象徴する主題が提示され、それに呼応するように東洋的な主題が現れます。これらの二つの主題は対話を重ねながら発展し、クライマックスでは両方の旋律が同時に奏でられます。ロシアと東洋の音楽が調和し、やがて静寂へと移り変わる様子が描かれています。

楽器編成

この楽曲は、以下の楽器で演奏されます。

木管楽器
フルート 2
オーボエ 1
イングリッシュホルン 1
クラリネット 2
ファゴット 2
金管楽器
ホルン 4
トランペット 2
トロンボーン 3
打楽器
ティンパニ
弦五部
第1ヴァイオリン
第2ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ
コントラバス

参考資料

CD集『クラシック名曲大全集』解説書（ユニバーサルミュージック、2003年1月）

外部リンク

交響詩『中央アジアの草原にて』の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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