中央特殊武器防護隊

中央特殊武器防護隊について

中央特殊武器防護隊（CNBC）は、埼玉県さいたま市の大宮駐屯地に拠点を置く、陸上総隊直轄の対NBC兵器専門部隊です。NBCとは、核兵器（Nuclear）、生物兵器（Biological）、化学兵器（Chemical）の頭文字を取ったもので、これらの兵器による攻撃や災害に対処することを目的としています。

部隊の概要

CNBCは、平時には東部方面隊の指揮下で活動しますが、有事の際には陸上総隊の直接的な指揮下に入り、機動的な運用が可能です。この部隊は、過去に地下鉄サリン事件や東海村JCO臨界事故といった重大な事件・事故に出動したことで知られる第101化学防護隊を前身としています。

CNBCの主な任務は、国内においてNBC兵器によって汚染された地域の偵察と除染です。人口密集地での化学兵器テロに対応した経験を持つ、世界でも稀な部隊として、その専門性と経験は非常に貴重です。

沿革

CNBCの歴史は、以下の通りです。

1956年1月: 第301化学発煙中隊が富士駐屯地で新編。
1957年10月: 富士駐屯地から大宮駐屯地へ移駐し、陸上自衛隊化学学校に隷属。
1970年8月: 第101化学防護隊に改称。
1995年3月: 地下鉄サリン事件で、サリン除去のため実働派遣。
2001年3月: 東部方面隊直轄部隊となる。
2007年3月: 第101特殊武器防護隊へ改称し、中央即応集団隷下に編合。
2008年3月: 中央特殊武器防護隊に改編し、第102及び第103特殊武器防護隊を隷下に新編。
2011年3月: 福島第一原子力発電所事故に対応するため、原子力災害派遣を実施。
2018年3月: 陸上総隊隷下に編合。

部隊編成

CNBCは、以下の組織で構成されています。

中央特殊武器防護隊本部
中央特殊武器防護隊本部中隊
中隊本部
発煙小隊
対焼夷小隊
第102特殊武器防護隊
第102特殊武器防護隊本部
偵察小隊
除染小隊
監視班
第103特殊武器防護隊
第103特殊武器防護隊本部
偵察小隊
除染小隊
監視班

主要装備

CNBCは、以下の装備を使用します。

化学防護車
NBC偵察車
液体散布車
粉末散布車
発煙機３形
化学防護衣４形

福島原発事故における教訓

2011年の福島第一原子力発電所事故では、CNBCの隊員が放射線防護服を着用して派遣されました。しかし、横方向からの放射線に対する防護効果が限定的であることが判明し、原子炉への注水支援作業が中止される事態となりました。この経験から、化学防護衣だけでは高レベル放射線に対応できないことが明らかになりました。

外部リンク

陸上総隊
中央特殊武器防護隊
* 中央特殊武器防護隊Twitterアカウント

CNBCは、NBC兵器の脅威から国民を守るため、高度な専門性と経験を活かして日々任務に励んでいます。

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