中尾受太郎

中尾 受太郎

1970年11月13日生まれ、神奈川県横須賀市出身の日本の男性総合格闘家。元DEEPウェルター級のベルトを巻いた実力者です。神奈川県立横須賀大津高等学校を経て二松學舍大学文学部を卒業しています。家族には、元総合格闘家である実弟の中尾享太郎氏、芸術家として活動する実妹の中尾ひろ子氏がおり、さらに従兄弟には兄弟ピアノデュオ「レ・フレール」がいます。

来歴

幼少期から学生時代にかけては野球に励みましたが、大学で柔道を始め、そこで三段の腕前を身につけました。大学卒業後はアメリカへ留学し、帰国後に総合格闘技の世界へ足を踏み入れます。

アマチュア修斗で実績を積んだ後、1996年1月20日に修斗のリングでプロデビュー戦を行い、奥田康則選手にTKO勝利を収めました。プロ転向間もない1996年3月には、第2回全日本コンバットレスリング選手権で準優勝しています。キャリア初期の重要な一戦として、1998年5月13日には修斗ミドル級王座決定戦に挑みましたが、桜井"マッハ"速人選手に判定で敗れ、惜しくも王座獲得はなりませんでした。

海外のリングでもその実力を示しました。1999年2月2日のSuperBrawlでは、当時のUFC世界ライト級王者であったパット・ミレティッチ選手と対戦し、鮮やかな三角絞めで一本勝ちという、国際的にも注目される快挙を成し遂げました。しかし、同年9月7日のSuperBrawl 13ではデイブ・メネー選手に判定負けを喫しています。

総合格闘技の最高峰であるUFCにも参戦経験があります。2001年9月28日のUFC 33で初登場し、トニー・デソーザ選手からKO勝利を奪いましたが、続く2002年3月22日のUFC 36ではショーン・シャーク選手に判定で敗れています。また、立ち技格闘技にも挑戦し、2003年2月2日にはシュートボクシングに初出場し、渡邉卓也選手に判定勝ちを収めています。

キャリアの中で最も輝かしい瞬間の一つは、DEEPでの活躍です。2004年7月3日から開催されたDEEPウェルター級トーナメントに参戦し、初代王座を目指しました。1回戦でアライケンジ選手に一本勝ちすると、同年10月30日に行われた準決勝では、後に日本のトップ選手となる青木真也選手に対し、カウンターの左ストレートで劇的なKO勝利を飾ります。さらに同日の決勝では中村大介選手をマウントパンチでTKOに下し、見事初代DEEPウェルター級王座に就きました。

DEEP王者として、2006年3月のタイトルマッチでは挑戦者の池本誠知選手を判定で退け、王座の初防衛に成功しました。しかし、2007年2月16日のDEEP 28 IMPACTで行われた次のタイトルマッチで、挑戦者の長谷川秀彦選手に判定で敗れ、王座から陥落しました。

日本を代表するビッグイベントであるPRIDEにも出場経験があります。2005年7月17日のPRIDE 武士道 -其の八-が初陣となりましたが、マーカス・アウレリオ選手に判定で敗れています。

DEEP王座陥落後も現役を続け、2007年7月8日には國奥麒樹真選手と対戦し、終了間際にバックマウントを奪う粘りを見せたものの、判定ドローとなりました。2009年以降もDEEPのリングに上がり、同年2月20日にはライト級トーナメント1回戦で松本晃市郎選手に、同年8月23日には長南亮選手に、そして2011年4月22日には北岡悟選手にそれぞれ判定で敗れています。

長きにわたり日本の総合格闘技界で活躍し、国内外の強豪と拳を交え続けたベテランファイターでした。粘り強いファイトスタイルで多くのファンを魅了しました。

主な獲得タイトル

第2回全日本アマチュア修斗選手権ミドル級 優勝（1995年）
初代DEEPウェルター級王座（2004年）

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