中尾秀正

中尾秀正調教師：名門一族の系譜と輝かしい実績

中尾秀正調教師は、日本中央競馬会（JRA）栗東トレーニングセンターに所属する調教師です。1966年12月6日生まれ。その経歴は、競馬界における名門一族の伝統と、自身のたゆまぬ努力によって築き上げられた輝かしい実績によって彩られています。

中尾調教師の祖父は元調教師の中尾嘉蔵氏、父は元調教師の中尾正氏、さらに伯父にも元調教師の中尾謙太郎氏と中尾銑治氏がいます。従兄弟にも調教助手や装蹄師がおり、一族で競馬に関わってきた歴史は実に1世紀近くに及びます。まさに、競馬界におけるサラブレッド一族と言えるでしょう。

幼少期から競馬に囲まれた環境で育ち、1985年4月、JRA競馬学校厩務員課程に入学。7月からは父の厩舎で厩務員として働き始め、同年11月には調教助手へとステップアップしました。着実に経験を積み重ね、調教師への道を歩み始めます。

調教師免許取得への道は容易ではありませんでした。1998年、1999年と新規調教師免許の一次試験には合格するものの、二次試験を突破することはできませんでした。しかし、彼は諦めずに挑戦を続け、2002年2月、念願の調教師免許を取得します。

2004年3月1日、12馬房の厩舎を開業。同期には池江泰寿調教師ら著名な調教師がおり、激しい競争の始まりでした。開業初戦は阪神競馬場での第2競走で、ビッグティアラが3着に入線。そして、2004年6月27日、阪神競馬場での第9競走・鷹取特別でビッグドンが勝利し、JRA初勝利を挙げました。地方競馬では既にミュージックシーンで勝利を挙げていましたが、JRAでの初勝利は厩舎にとって大きな喜びとなりました。22頭目の出走で掴んだ勝利は、地道な努力の結晶と言えるでしょう。

その後も順調に勝ち星を重ね、2007年には根岸ステークスをビッググラスで制し、重賞初勝利。さらに2012年には阪急杯をマジンプロスパーで制覇するなど、活躍の幅を広げていきました。2013年12月23日には、アドマイヤシャドウの勝利でJRA通算200勝の大台を達成しました。

中尾調教師の活躍は国内にとどまりません。2016年5月25日には、エイシンエルヴィンがフランス・メゾンラフィット競馬場で行われたモントルトゥー賞で優勝。国際舞台での勝利は、日本の競馬界を世界に知らしめる大きな一歩となりました。続く6月14日にはイギリスのG1クイーンアンステークスに出走するも10着と、悔しい結果に終わりましたが、国際競走への挑戦は、中尾調教師の大きな目標の一つであると言えるでしょう。

中尾秀正調教師は、名門一族の伝統を受け継ぎながら、自身の努力と経験によって築き上げた実績を持つ、日本の競馬界を代表する調教師の一人です。今後も、数々の名馬を育成し、競馬界に貢献していくことでしょう。

主な管理馬

ビッググラス（2007年 根岸ステークス、フェブラリーステークス3着）
アドマイヤスバル（2009年 白山大賞典）
マジンプロスパー（2012年 阪急杯、2012年・2013年CBC賞）
エイシンエルヴィン（2016年 モントルトゥー賞）

主な厩舎スタッフ

* 宝来城多郎調教助手（元騎手）

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