山本通

山本通：神戸の高級住宅街と異人館の歴史

神戸市中央区に位置する山本通は、一丁目から五丁目まで続く、高級住宅街として知られる地域です。明治・大正期に建てられた数多くの洋風建築、いわゆる異人館が残り、独特の風情を醸し出しています。北野町と合わせて「北野町山本通」と呼ばれることも多く、観光客にも人気のエリアとなっています。

地理と歴史

山本通は、かつての生田区北東部にあたり、住宅地として発展してきました。東には北野町、加納町、南には中山手通、西には諏訪山町、中山手通、北には北野町、神戸港地方、諏訪山町、再度筋町と隣接しています。現在の中央区への編入は1980年（昭和55年）のこと。それ以前は、1931年（昭和6年）から神戸区、1945年（昭和20年）からは生田区に属していました。

地価と経済

山本通は、神戸市内でも有数の高級住宅地として知られています。2014年（平成26年）1月1日公表の公示地価によると、一丁目にある地点では1平方メートルあたり44万6000円と、中央区内で最も高い地価を記録しています。この高い地価は、その立地条件と歴史的建造物の存在、そして静かで落ち着いた住環境が反映されていると言えるでしょう。

経済活動においては、タカハシパールなどの企業が山本通に拠点を置いています。また、地域には一般社団法人ひょうご部落解放・人権研究所や神戸北野ホテルといった施設が存在し、地域社会を支えています。さらに、部落解放同盟兵庫県連合会といった団体も活動しています。

交通

山本通内に鉄道駅はありません。公共交通機関としてはバスが利用でき、山本通三丁目と山本通四丁目の停留所があります。道路としては、東亜筋線と諏訪山線が通っています。これらの道路は、山本通の交通の要衝として機能しており、地域住民や観光客の移動を支えています。

文化と人物

山本通には、多くの異人館が点在し、歴史的建造物としての価値も高く評価されています。これらの建築物は、明治・大正期の洋風建築様式を伝える貴重な遺産であり、地域の景観を形作っています。

また、山本通には著名な人物とのゆかりも存在します。俳人の西東三鬼は戦中から戦後にかけてこの地に住んでいました。さらに、実業家である橋本喜造氏とその長男である橋本喜久雄氏も山本通に住所を置いていました。橋本喜造氏は、橋本汽船、龍王汽船、新興商船、堂島ビルヂング、雲仙観光ホテルといった企業の社長を歴任した人物です。

まとめ

山本通は、高級住宅地としての高い地価、歴史的建造物である異人館、そして静かで落ち着いた住環境という、複数の魅力を兼ね備えた地域です。歴史、文化、経済といった様々な側面から見て、神戸市を代表するエリアの一つと言えるでしょう。今後、この地域がどのように発展していくのか、注目に値します。

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