中岳 (札幌市・京極町)

中岳は、北海道札幌市南区定山渓と京極町の境界に位置する標高1387.5メートルの山です。その名の由来は、無意根山と喜茂別岳の中間に位置することによります。

地形と地質

中岳は、無意根山溶岩によって形成された山の一つであり、頂上周辺には高さ5-10メートルほどの岩壁が取り囲み、まるで古城のような景観を呈しています。一般的に「中岳」と呼ばれる山の中では、その秀麗な姿から特に優れた山と言えるでしょう。南西側のワッカタサップ川源頭付近は、深く削られた急峻な崖となっています。

登山ルート

現在、中岳には明確な登山道は存在しません。かつては隣接する無意根山からの縦走ルートが開拓されたことがありましたが、年月を経て藪の中に埋もれてしまいました。夏期には、白水川を遡行する沢登りによって登頂が可能です。冬期には、中山峠から無意根山への縦走中に通過するか、あるいは無意根山側から往復するルートが一般的です。

中岳は登山道がないため、入山には相応の経験と準備が必要です。特に沢登りは危険を伴うため、十分な装備と知識、そして経験豊富なガイドとの同行を推奨します。冬期の縦走も天候に左右されやすく、雪崩などのリスクも考慮する必要があります。

中岳は手軽に登れる山ではありませんが、その分、手つかずの自然が残されており、静かな山歩きを楽しみたい登山者にとっては魅力的な山と言えるでしょう。訪れる際には、事前の情報収集と万全の準備を心がけてください。

参考文献

『札幌の山々』北海道新聞社〈さっぽろ文庫48〉、1989年3月27日。ISBN 4-89363-047-4。
関秀志 編『札幌の地名がわかる本』亜璃西社、2018年11月16日。ISBN 978-4-906740-34-5。

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