中川仁

中川仁（なかがわ ひとし）

プロフィール

中川仁氏は、1969年3月18日生まれの日本の言語学者、台湾研究者、日本語教育者です。明海大学外国語学部教授として教鞭を執る傍ら、応用言語学の博士号を有しています。

研究分野

中川氏の専門は、言語政策、東アジアにおける言語問題、そして日本語教育です。特に、戦後台湾における北京語同化政策を政治的側面から分析し、ポストコロニアルの視点から台湾の言語状況を深く研究しています。

台湾の言語問題

中川氏は、台湾における各民族グループによる母語復権運動や多言語主義の推進を、民主化運動や台湾独立運動との関連性から捉え、言語の民主化がどのように進められてきたかを詳細に分析しています。その背景にある歴史的経緯や問題点についても、深く掘り下げた研究を行っています。

台湾語研究

近年の中川氏の研究は、戦後日本における台湾語資料に焦点を当て、その研究史を整理・体系化することに注力しています。特に、日本統治時代の台湾で起こった文学運動や社会運動を包括的に捉え、台湾語文の生成と書写方法に関する議論に明確な位置付けを与えようとしています。

経歴

学歴

1993年3月 - 明海大学外国語学部中国語学科卒業
1997年6月 - 台湾・東呉大学日本語文学系修士課程修了
2007年9月 - 明海大学にて博士（応用言語学）の学位取得

職歴

1997年8月 - 台湾・銘伝大学応用言語学部応用日本語学科専任講師（2002年4月より明海大学浦安キャンパスINT教育センター専任講師）
2011年4月 - 明海大学外国語学部日本語学科准教授
2015年4月 - 明海大学外国語学部日本語学科教授

主な著書

単著

『戦後台湾における北京語同化政策と多言語主義への展開』（学位論文）2007年9月
『戦後台湾の言語政策－北京語同化政策と多言語主義－』（東方書店）2009年4月
『台湾語研究序説』（近現代資料刊行会）2021年7月
『戦前・戦後初期における台湾語研究』（私家版、近現代資料刊行会）2023年5月
『台湾語研究と「言語の民主化」』（近現代資料刊行会）2023年7月

共著

『日本留学試験日本語対策問題集』（Jリサーチ出版）2004年2月
『日本語教育をめぐる研究と実践』（凡人社）2009年5月

編著

『二・二八事件資料集』（尚昂文化事業国際有限公司）2008年12月
『戦後初期日本における中国語方言研究資料・李献璋の福建語法序説』（尚昂文化事業国際有限公司）2015年12月
『李献璋の台湾民間文学集』（東方書店）2016年3月

共編著

『王育徳の台湾語講座』（東方書店）2012年7月
『中国・台湾における日本語教育をめぐる研究と実践』（東方書店）2014年3月
『東アジアのボーダーを考える－歴史・国境・認識－』（右文書院）2014年5月
『東アジアの秩序を考える―歴史・経済・言語・教育学からのアプローチ』（春風社）2017年12月
『近現代東アジアの弾圧と抑圧』（春風社）2019年12月

監修

「日本統治下における台湾語・客家語・蕃語資料」(全3冊)（近現代資料刊行会）2019年12月
『補巻』(『広東の民話』及び『台湾の歌謡と名著物語』を所収・全1冊)（近現代資料刊行会）2023年6月
『台湾語法』（第1巻・全一冊）
『『語苑』にみる客家語研究』（第2巻・第15巻～第30巻所収・全一冊）
『蕃語研究』（第3巻・全一冊）
『補巻』(『広東の民話』及び『台湾の歌謡と名著物語』を所収・全1冊)
「戦後初期日本における中国語研究基礎資料」（全4冊）（近現代資料刊行会）2020年11月
『ラテン化新文字による中国語辞典・（第１分冊～第７分冊）』（第1巻）
『中国語学事典』(第2巻・上巻)
『中国語学事典』(第2巻・下巻)
『中国語学新辞典』（第3巻）

翻訳

『中国地理紀行・13号』（ＡＳＩＡＧＥＯ）2003年4月
『中国地理紀行・14号』（ＡＳＩＡＧＥＯ）2003年6月
『脱帝国と多言語社会のゆくえ』（三元社）2005年6月

外部リンク

中川仁 - researchmap
中川仁 - J-GLOBAL
明海大学　中川 仁　教授
応用言語学研究科 | 明海大学 （Meikai University）
中川 仁 | CiNii Research

もう一度検索