中川州男

中川 州男: 日本陸軍中将の生涯

中川州男（なかがわ くにお）は、1898年1月23日に熊本県で生まれ、1944年11月24日に戦死した日本の陸軍軍人です。彼は陸軍士官学校第30期を卒業し、最終的には陸軍中将に昇進しました。特にペリリューの戦いでの指揮官としての業績が広く知られています。

出生から軍人へ

中川は小学校の校長を務めていた中川文次郎の三男として生を受けました。彼は玉名中学校を卒業後、1918年に陸軍士官学校を卒業し、見習士官としてのキャリアをスタートしました。その後、陸軍歩兵少尉として部隊に配属され、台湾や福岡県にてさまざまな役職を歴任します。

初の実戦と昇進

盧溝橋事件が発生すると、中川も動員され戦争へと突入します。天津や保定での戦闘を通じて野戦指揮官としての才能が認められ、陸軍大学校に入校することが決まりました。1939年に陸軍歩兵中佐に昇進し、1941年には功四級金鵄勲章を受章します。

その後、独立混成第5旅団の参謀を経て、第62独立歩兵団の参謀に就任し、1943年には陸軍大佐に昇進します。彼が歩兵第2連隊長に任命されると、その後、ペリリュー島への配属が決まりました。

ペリリューの戦い

1944年9月15日、アメリカ軍がペリリュー島に上陸を開始します。当初、米軍は短期間で島を攻略できると考えていましたが、中川はそれに反して71日間にわたる組織的な抵抗を展開しました。彼は自隊を指揮しつつ、兵の保全と共に米軍に対する大きな損害を与えました。

戦闘が進むにつれ、米軍の圧倒的な物量に苦しむことになりますが、彼は徹底した要塞化と地下陣地の構築に努めました。これにより、敵に出来るだけ多くの損害を与える戦術を講じました。

玉砕と遺産

最終的に兵力と弾薬が尽き、11月24日に司令部は玉砕を決定します。中川は自らの命を絶ち、配下の兵士たちへの最後の指令を送りました。その後、残された兵士たちによる「万歳突撃」が行われ、数日後には米軍の完全な占領が実現しました。

中川州男は戦死後に二階級特進し、陸軍中将に任命されました。彼の戦術は後の硫黄島や沖縄の戦いにおいても大きな参考となり、米軍に対する効果的な損害を与える成果を上げました。彼は実戦を求めた叩き上げの軍人であり、合理的な精神を持ちながら指揮を一貫して貫き通した英雄的存在です。

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