中康次

中 康次（なか こうじ）

日本の俳優。1948年6月26日に京都府京都市で生まれる。本名は福中 康治。過去には中 康治（読みは同じ）や中 孝舟（なか こうせい）という芸名を使用していた時期もある。

京都府立嵯峨野高等学校を卒業。高校在学中に父を亡くし、卒業後まもなく京都を離れて上京。当初はファッションモデルやCMモデルとして活動し、生計を立てていた。

俳優としてのキャリアは、1979年公開の角川映画『戦国自衛隊』で本格的に開花する。この作品で、戦国時代へタイムスリップする自衛隊員の一人を演じ、その存在感が広く注目を集めた。191cmという日本人離れした長身と端正で甘い容貌は、正統派の二枚目俳優として高い評価を得た。

以降、活躍の場はテレビドラマを中心に広がる。テレビ朝日系で放送された『柳生あばれ旅』、NHKで制作された大河ドラマ『宮本武蔵』では若き日の佐々木小次郎役を演じ、ライバル役として強い印象を残した。また、フジテレビ系で放送され、社会現象ともなった『スケバン刑事』に出演するなど、時代劇から現代劇、アクション、青春ドラマまで、様々なジャンルの作品で存在感を示した。その他の出演作には、『太陽にほえろ!』『特捜最前線』といった刑事ドラマや、年末時代劇スペシャルシリーズなどがある。

1986年には東京宝塚劇場での公演『三味線お千代』で初舞台を踏み、以降、多くの舞台作品にも出演。活動の幅を広げた。

1993年から1994年にかけて放送された東映制作のスーパー戦隊シリーズ『五星戦隊ダイレンジャー』（テレビ朝日系）では、主人公チームを導く指揮官である道士・嘉挧（かく）役でレギュラー出演し、子供から大人まで幅広い層にその顔を知られることとなった。

特技は空手と殺陣であり、その身体能力はアクションシーンでも活かされた。

人物像としては、共演者から慕われる温厚な人柄が伝えられている。特に映画『戦国自衛隊』で共演した俳優たちとは公私にわたる親交が深く、速水亮、錦野旦、高橋研、清水昭博らとは友人として頻繁に交流していた。また、『五星戦隊ダイレンジャー』で共演した後輩俳優たちからは、熱心な指導者として慕われていた。芝居に悩む若い俳優には、撮影後に食事を共にしながら親身になってアドバイスを送るなど、後進の育成にも情熱を注いでいた。

キャリア晩年は、自身が所属した事務所付属の俳優養成所「スタジオ191」にて、講師として後進の指導育成を主な活動とした。

2015年12月19日、直腸がんのため死去。享年67歳だった。日本の映像・演劇界に確かな足跡を残した俳優であった。

主な出演作品：

テレビドラマ

太陽にほえろ!（NTV）
姿三四郎（1978年 - 1979年）
ザ・スーパーガール
柳生あばれ旅（1980年 - 1981年、ANB）
新・必殺仕舞人
宮本武蔵（1984年 - 1985年、NHK） - 佐々木小次郎役
特捜最前線（ANB）
スケバン刑事（1985年、CX） - 神恭一郎役
年末時代劇スペシャル（NTV） - 白虎隊、田原坂、奇兵隊など
大河ドラマ / 春日局（1989年、NHK） - 加藤清正役
五星戦隊ダイレンジャー（1993年 - 1994年、ANB） - 道士嘉挧役
仮面ライダー555（2003年 - 2004年、ANB） - 花形役

映画

新宿酔いどれ番地 人斬り鉄（1977年）
戦国自衛隊（1979年） - 三村泰介役
彼のオートバイ、彼女の島（1986年）
劇場版 五星戦隊ダイレンジャー（1993年） - 道士嘉挧役

舞台

三味線お千代（1986年）
アルジャーノンに花束を（1987年）
鹿鳴館（1987年） - 久雄役
ハムレット（1990年） - フォーティンプラス役

CM

資生堂 スプレンス・シフォネット
大阪ガス ガスファンヒーターエアコン

オリジナルビデオ

ジゴロ・コップ 六本木・赤坂・美少年倶楽部
忍者姉妹マスク・ザ・シャドウ

音楽

* シングル「本牧Lonely Night / 黄昏貴族」（1986年）

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