中村錦之助 (2代目)

二代目 中村錦之助（にだいめ なかむら きんのすけ）は、1959年9月29日に生まれた歌舞伎役者です。本名は小川信次郎といい、屋号は萬屋です。定紋は桐蝶、替紋は萬屋蔓片喰を用いています。歌舞伎の名跡である「中村錦之助」の当代であり、慶應義塾高等学校を中退しています。

来歴

1959年、四代目中村時蔵の次男として東京に生まれました。兄には中村萬壽、叔父には俳優の萬屋錦之介（初代中村錦之助）と中村嘉葎雄がいます。また、長男は初代中村隼人、長女は女優の千晴子です。

1964年7月、歌舞伎座で『宮島のだんまり』に中村信二郎の名で初舞台を踏みました。端正な顔立ちとスマートな体格で、二枚目役を得意としています。長らく三代目市川猿之助の門下で舞台を務めていましたが、1997年からは五代目中村富十郎に師事し、古典歌舞伎を中心に経験を積んでいます。

平成10年代の歌舞伎界では、立役を得意とするベテランとその子らの世代に役者が集まっている一方で、その間の世代の層が薄くなっています。そのような状況の中、二代目中村錦之助は中堅の二枚目役者として貴重な存在となっています。

『仮名手本忠臣蔵』の斧定九郎や『義経千本桜』の主馬小金吾のような役を演じることが多いですが、近年では『双蝶々曲輪日記』の山崎屋与五郎や、『芦屋道満大内鑑』「葛の葉」の安倍保名など、主要な役どころを演じる機会が増えています。

2007年4月には、歌舞伎座で『鬼一法眼三略巻』「菊畑」の虎蔵実ハ牛若丸と『双蝶々曲輪日記』「角力場」の放駒長吉と山崎屋与五郎を演じ、二代目中村錦之助を襲名しました。

主な出演

以下は、二代目中村錦之助が演じた主な演目です。

歌舞伎
『吉例寿曽我』　曽我十郎
『元禄忠臣蔵』　片岡源五右衛門、磯貝十郎左衛門
『鬼揃紅葉狩』　平維茂
スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』　熊襲弟タケル、ヤマトタケル（1988年特別マチネ公演）
『番町皿屋敷』　青山播磨
『NINAGAWA十二夜』　大篠左大臣
『国性爺合戦』　五常軍甘輝
『夏祭浪花鑑』　一寸徳兵衛
『隅田川続俤』「法界坊」　手代要助
『鬼平犯科帳』「大川の隠居」　同心酒井祐助
映画
『たそがれ清兵衛』　藩主
『沓掛時次郎 遊侠一匹』　太郎吉
テレビドラマ
大河ドラマ『天と地と』（1969年、NHK総合） - 上杉景勝
『破れ新九郎』 第9話・第10話「新九郎西伊豆へ走る!（前編・後編）」（1978年、テレビ朝日） - 三四郎
『赤穂浪士』（1979年、テレビ朝日） - 矢頭右衛門七
『鬼平犯科帳』（1980年、テレビ朝日）第1シリーズ22話「鯉肝のお里」 - 岩吉
日本犯科帳・隠密奉行「こんぴら人形連続殺人事件の謎を斬る」（1981年、フジテレビ）
『真夜中の匂い』（1984年、フジテレビ）
BS時代劇『塚原卜伝』（2011年、NHK BSP / 2013年、NHK総合） - 卜部吉川覚賢

二代目中村錦之助は、歌舞伎役者としての活動に加え、映画やテレビドラマにも出演し、幅広い活躍を見せています。その端正な容姿と確かな演技力で、多くの観客を魅了し続けています。


外部リンク

二代目 中村錦之助 公式ホームページ
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 / 中村錦之助（二代目）

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