中華人民共和国の超高層建築物

中国の超高層建築物

中国における超高層建築物の歴史と現状について解説します。1978年の改革開放政策以降、中国経済は急速な発展を遂げ、それに伴い各地で超高層ビルの建設ラッシュが起こりました。特に沿岸部の経済特区や大都市では、外国資本の流入を背景に、多くの超高層ビルが建設されました。しかし、近年では政府による規制も強化され、無秩序な建設は抑制される傾向にあります。

概要

1980年代以降、中国では経済特区を中心に都市開発が加速しました。深圳、珠海、汕頭、廈門といった都市が経済特区に指定され、外国からの投資が活発化。その後、上海や広州などの大都市も開発に加わり、高層ビルの建設が相次ぎました。天津、重慶、長春、青島、大連、成都市、武漢、瀋陽、廈門などでも多くの超高層ビルが建設され、高さ400mを超えるスーパートールも複数出現しています。

香港では、イギリス統治時代から超高層ビルの建設が進んでいましたが、中国返還後もその勢いは衰えていません。マカオでも同様に超高層ビルの建設が進んでいます。しかし、中国政府は、2021年には高さ500メートル以上の超高層建築物の建設を禁止し、2022年にはさらに規制を強化。250メートルを超えるビルの新規建設についても地域によって制限する通達を出しています。これにより、これまで活発だった超高層建築物の建設にブレーキがかかる見込みです。

各都市の超高層建築物

香港

香港は、地形的に平地が少ないため、1970年代から超高層ビルの建設が盛んに行われてきました。特に香港島北部の中心街には多くの超高層ビルが立ち並び、その集積率は世界でもトップクラスです。1990年には、アジア初の300m超えビルである中国銀行タワーが完成。その後もセントラルプラザ、ザ・センター、ニーナタワーなど、数多くの高層ビルが建設されました。また、香港上海銀行・香港本店ビルやリッポーセンターなど、著名な建築家による作品も存在します。香港は1997年に中国に返還されましたが、経済的な結びつきはますます強まっており、現在でも再開発が進められています。

2003年には国際金融中心・第二期が、2010年には環球貿易廣場が完成し、香港のスカイラインをさらに高めました。

マカオ

マカオでも、香港と同様に超高層建築物の建設が進んでいます。

上海

上海は、中国経済を牽引する都市として、1990年代から超高層ビルの数が急増しました。浦東地区と浦西地区に分かれ、浦東の陸家嘴地区には、政府主導の開発によって多くの超高層ビルが建設されました。ジンマオタワーや上海ワールド・フィナンシャル・センターなどがその代表例です。一方、浦西地区には、租界時代の外灘に、上海海関や和平飯店といった歴史的な建築物が現存し、新旧の対比を見ることができます。また、上海HSBCタワーやニューワールドセンターなど、外資による建物も多く見られます。

北京

首都である北京では、2008年の北京オリンピックを機に、多くの再開発事業で超高層ビルが建設されました。中国尊は、北京で最も高いビルとして知られています。また、新中国中央電視台本社ビルや中国国際貿易センター第三期など、斬新なデザインの建築物も多く存在します。しかし、超高層ビルの建設は、歴史的な住居である四合院の取り壊しを伴うこともあり、文化的な遺産の保護という観点から懸念も指摘されています。

広州

広州は、古くからの交易都市であり、珠江沿いには古いネオ・バロック式の建築が残っています。愛群大酒店は、その代表的な建物の一つです。現在では、広東省の省都として、多くの超高層ビルが建設されており、特に広州東駅周辺は再開発が進んでいます。2016年には、広州最高層のCTF金融センターが完成しました。

深圳

深圳は、1980年の改革開放によって経済特区に指定され、急速な発展を遂げました。香港からの投資や製造業の移転により、漁村から摩天楼が立ち並ぶ都市へと変貌しました。京基100や平安国際金融中心などが、深圳の発展を象徴する超高層ビルです。

天津

天津でも、多くの超高層ビルが建設されています。

武漢

武漢は、中国中部のメガシティとして、長江沿いに多くの超高層ビルが建設されています。漢口地区には、租界時代の建築物も残っており、江漢関ビルなどがその代表例です。1980年代以降、国内外からの投資が増加し、超高層ビルが立ち並ぶようになりました。晴川ホテルは、武漢初の超高層ビルです。武漢中心が現在最も高いビルですが、武漢緑地中心の完成により順位が変動する予定です。

杭州

杭州でも、超高層ビルの建設が進んでいます。

関連項目

• - アジアの超高層建築物
• - 香港の超高層建築物
• - 台湾の超高層建築物

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