中西功

中西 功の生涯と業績

中西 功（なかにし つとむ、1910年9月18日 - 1973年8月18日）は、日本の共産主義運動の重要な活動家であり、中国に関する政治評論家として知られています。彼は元日本共産党の参議院議員であり、激動の時代に多くの業績を残しました。

生い立ちと教育

彼は三重県多気郡西外城田村土羽に生まれ、日本の地で学びました。1929年、県費生として上海の東亜同文書院に入学し、その後の学生運動を通じて日支闘争同盟や中国共産主義青年団に参加しました。そこでの活動を通じ、反帝国主義の理念に基づいた運動を展開しましたが、1930年にはその活動が原因で逮捕されました。

中国研究と調査活動

1932年の上海クーデターを受けて日本に帰国後、中西はプロレタリア科学研究所にて中国研究に従事しました。1934年には満鉄調査部に入社し、大連に派遣されて調査と執筆活動に従事します。彼は満鉄の調査業務において「支那抗戦力調査委員会」の主要メンバーとして、中国の抗戦能力を高く評価し、日本の軍事活動に対する批判的な見解を示しました。また、中国共産党と連携し、毛沢東ら中共指導部への情報提供を行い、抗日活動や反戦活動を支援しました。

ゾルゲ事件と逮捕

1942年、中西はゾルゲ事件に関連して「中共謀報団」として逮捕され、巣鴨拘置所に収容されました。治安維持法違反及び外患罪で起訴される中、彼は死刑を求刑されましたが、獄中で中国共産党に関する多くの原稿を執筆。戦後にこれらの原稿の一部が『中国共産党史』として出版されました。

政治活動と復党

1945年9月に無期懲役の判決を受けましたが、占領軍の指令によって同年10月に釈放されました。1947年には日本共産党から参議院議員として当選します。しかし、1950年に発生した党内の路線論争を受け、中央と対立し党を除名されました。その後、一度は「団結派」を結成して反論を試みますが、最終的には参議院議員を辞職します。再出馬を図るも、結果はないまま1963年まで旧神奈川2区に挑戦し続けました。

家族と後世への影響

中西の実弟や長女は、彼の影響を受けてそれぞれ社会活動や環境リスク学の分野で活躍しています。特に、環境リスク学の研究者で文化功労者の中西準子は彼の長女です。

主な著作

彼の著作は多岐にわたり、以下のような書籍が知られています：

• - 『中国革命と中国共産党』上（1946年）
• - 『中国共産党史』（1946年）
• - 『ソヴェート革命時代』（1946年）
• - 『民主主義日本の道標』（1946年）
• - 『民主主義と社會主義のために : 平和と獨立』（1948年）
• - 『社會民主主義と新民主主義』（1948年）
• - 『日本ファシズムをめぐる理論的諸問題』（1949年）
• - 『中国革命と毛沢東思想：中国革命史の再検討』（1969年）

中西 功の生涯は、戦中・戦後の激動の日本を背景に、共産主義運動や中国に関する彼の研究、政治活動を通じて、日本の歴史に深い足跡を残しました。

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