中野美術館

中野美術館：近代日本美術の至宝を堪能できる奈良の美術館

1984年に開館した中野美術館は、奈良県奈良市に位置する奈良県登録博物館です。実業家である中野皖司氏が収集した貴重な日本近代美術作品を多数所蔵しており、日本の美術史に名を残す数々の巨匠の作品を鑑賞することができます。公益財団法人中野美術館が運営しています。

充実の収蔵品：洋画、日本画、そして彫刻や版画

中野美術館の最大の魅力は、その充実したコレクションです。洋画、日本画に加え、彫刻や版画なども収蔵されており、多角的に近代日本美術を堪能できます。

洋画では、須田国太郎の風景画や静物画、小出楢重の写実的な静物画、岸田劉生の洗練された人物画など、近代洋画を代表する巨匠たちの作品が多数展示されています。その他にも、中村彝、村山槐多、萬鉄五郎、前田寛治、久米桂一郎、鳥海青児、熊谷守一といった、日本近代洋画史に大きな足跡を残した画家たちの作品が、約100点にものぼります。青木繁、古賀春江、三岸好太郎、国吉康雄、児島善三郎、長谷川利行、松本竣介、藤島武二、岡田三郎助、梅原龍三郎、安井曾太郎といった、著名な画家の作品も収蔵されています。

日本画では、村上華岳の鮮やかな色彩と大胆な構図が特徴的な作品群が圧巻です。その代表作である「中国列仙伝」全16幅をはじめ、「早春風景」、「野菜と果物」、「朝顔」など、華岳の画業を広く知ることができる作品が展示されています。また、入江波光の繊細で優美な作品や、冨田溪仙の力強い作品など、日本画界を代表する巨匠たちの作品約100点が所蔵されています。富岡鉄斎、横山大観、小林古径、土田麦僊、榊原紫峰といった、日本画壇を彩った名だたる画家たちの作品も鑑賞できます。

これら絵画作品以外にも、高村光雲や佐藤忠良といった彫刻家の作品、そして駒井哲郎や長谷川潔による銅版画なども収蔵されています。

美術館の建築と周辺環境

中野美術館の建物は、彦谷邦一氏の設計により1984年に竣工しました。延床面積は490.9平方メートルです。美術館周辺には、大和文華館や松伯美術館といった、近鉄グループホールディングスの財団法人が運営する美術館も存在しており、文化的な環境に恵まれた立地となっています。これらの美術館も、日本の美術や文化に触れることができる貴重な場所です。

アクセス

中野美術館へのアクセスは非常に便利です。近鉄奈良線学園前駅から徒歩わずか8分です。

まとめ

中野美術館は、近代日本美術の重要なコレクションを有する美術館です。アクセスも良く、充実したコレクションをゆっくりと鑑賞できる環境が整っています。奈良を訪れた際には、ぜひ足を運んで、日本近代美術の粋を堪能してください。

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