丹下左膳 こけ猿の壺

映画『丹下左膳 こけ猿の壷』について

『丹下左膳 こけ猿の壷』は、1954年12月8日に公開された大映製作の時代劇映画です。監督は三隅研次で、これが彼の監督デビュー作となりました。主演は、これまで何度も丹下左膳役を演じてきた大河内傳次郎であり、本作が最後の丹下左膳役となりました。

あらすじ

物語は、日光廟の修復を命じられた柳生対馬守が、その費用を捻出するために、財宝の在りかが記された茶壷、通称「こけ猿の壷」を探すところから始まります。しかし、その壷は対馬守の弟である源三郎によって持ち出されてしまい、対馬守は急遽使者を派遣します。

一方、盗賊のお島は、遊び人の鼓の与吉と共謀して壷を盗み、硯売りの少年チョビ安に預けますが、チョビ安は壷を持ち出してしまいます。一時的に壷はチョビ安の養父である丹下左膳の手に渡りますが、お島は司馬道場の門弟である上村平馬と共に壷を奪い返します。

物語はさらに複雑に展開します。源三郎には、司馬道場の当主の娘である萩乃という許嫁がいました。一方、司馬道場の高弟である峰丹波は、萩乃に想いを寄せ、道場を我が物にしようと企んでいます。そんな中、丹波は「こけ猿の壷」を目撃しますが、壷を狙う左膳と揉み合いになり、その隙に壷は蒲生泰軒に奪われてしまいます。

その後、司馬家の当主である十方齋が亡くなり、丹波が権力を握り萩乃を軟禁しますが、女中や左膳によって逃げられてしまいます。与吉は萩乃を誘拐しようとしますが、今度は泰軒に助けられ、彼女に壷を柳生家に届けるように暗示をかけます。

左膳に惹かれていたお島は彼に協力しますが、丹波の手下に殺害されます。そして、源三郎は左膳の助けを得て、丹波一味を打ち破ります。物語は、「こけ猿の壷」を巡る様々な人物の思惑が絡み合い、予測不能な展開を見せます。

キャスト

丹下左膳: 大河内傳次郎
軽業のお島: 高峰三枝子
萩乃: 三田登喜子
柳生源三郎: 坂東好太郎
蒲生泰軒: 柳永二郎
峰丹波: 杉山昌三九
愚楽: 高堂国典
鼓の与吉: 上田寛
チョビ安: 蔵方しげる
お篠: 橘公子
十方斎: 葛木香一
上村平馬: 伊達三郎
田丸主水正: 香川良介

スタッフ

監督: 三隅研次
企画: 浅井昭三郎
撮影: 牧田行正
音楽: 服部正
原作: 林不忘
脚本: 衣笠貞之助
録音: 大角正夫
照明: 加藤庄之丞
美術: 上里義三

作品の特徴

本作は、山中貞雄監督の『丹下左膳余話 百萬両の壺』のリメイク作品であり、大河内傳次郎の最後の丹下左膳役としても知られています。三隅研次監督のデビュー作としても注目されました。また、「こけ猿の壷」を巡るドタバタ劇は、時代劇でありながらコメディ要素も含まれており、幅広い観客が楽しめる作品となっています。

外部リンク

丹下左膳 こけ猿の壺 - ぴあ
丹下左膳 こけ猿の壺 - 映画の時間
丹下左膳 こけ猿の壺 - 映画DB
丹下左膳 こけ猿の壺 - 日本映画製作者連盟
* 丹下左膳 こけ猿の壺 - ウェイバックマシン

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