杉山昌三九

杉山昌三九：現代劇から時代劇へ、銀幕とブラウン管を彩った俳優の生涯

杉山昌三九（すぎやま しょうさく、1906年8月6日 - 1992年3月17日）は、日本の俳優として長く活躍しました。現代劇から時代劇へと転身し、戦後のテレビ時代劇においても重要な役割を果たした、日本の映画史に名を刻む人物の一人です。

1906年、東京に生まれた杉山は、1927年に日活現代劇部に入社。京都の大将軍撮影所（後に太秦に移転）を拠点にキャリアをスタートさせました。溝口健二監督作品への出演や、ヒット曲『アラビヤの唄』を主題歌とした映画での主役抜擢など、現代劇の世界で着実に経験を積んでいきます。

しかし、1933年、上層部の決定により時代劇部へ異動。この転機が、彼の俳優人生に大きな影響を与えました。渡辺邦男監督作品への主演を皮切りに、剣戟映画のスター俳優として名を馳せていた新興キネマに移籍。阪東妻三郎、嵐寛寿郎、片岡千恵蔵といった当時のスター俳優たちと共に、数々の作品に出演し、その演技力を磨いていきます。

1936年には大都映画に移籍。その後、第二次世界大戦による戦時統制で、大都映画が大日本映画製作（後の大映）に統合された後も、同社に在籍し、主役級の活躍を続けました。

戦後も精力的に活動を続け、大映京都撮影所や新[[東宝]]の作品に出演。1953年には宝塚映画制作、東宝配給の映画『千姫』に出演するなど、幅広い作品で活躍しました。1956年以降は、大映京都撮影所を主な活動拠点として、数多くの時代劇映画に出演し、その存在感を示し続けました。

1964年、テレビ映画『風雲児半次郎』への出演を機に、テレビ時代劇の世界にも進出。以後、1974年頃まで、数多くのテレビ時代劇に出演し、そのキャリアは映画だけでなく、テレビへと広がっていきました。代表的な作品として、『素浪人 月影兵庫』、『素浪人 花山大吉』、『水戸黄門』、『唖侍鬼一法眼』などがあります。これらの作品では、個性豊かな役柄を演じ分け、視聴者から高い人気を集めました。

1970年、マキノ雅弘監督作品『玄海遊侠伝 破れかぶれ』が、彼の最後の映画出演作となりました。

晩年は病に倒れ、1992年3月17日、結腸癌のため85歳でこの世を去りました。

杉山昌三九は、長年にわたり映画とテレビ時代劇で活躍した実力派俳優でした。現代劇から時代劇へと転身し、戦後も数々の作品に出演し続ける彼の姿は、日本の映画・テレビ史において、重要な足跡として残されています。彼の作品は、現代においても多くのファンに愛され続けています。

主なフィルモグラフィ（抜粋）

映画：『娘可愛や』、『砂漠に陽が落ちて』、『白浪れんじ格子』、『任侠二筋道』、『千姫』、『桃太郎侍』、『忠臣蔵』、『座頭市喧嘩旅』、『大魔神』、『玄海遊侠伝 破れかぶれ』など多数
テレビ：『風雲児半次郎』、『素浪人 月影兵庫』、『素浪人 花山大吉』、『水戸黄門』、『唖侍鬼一法眼』、『必殺仕置人』など多数

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