丹生川上神社上社

丹生川上神社上社の概要

丹生川上神社上社（にうかわかみじんじゃかみしゃ）は、奈良県吉野郡川上村迫に所在する神社です。歴史的に、式内社と呼ばれる重要な神社であり、二十二社の論社の一つとしても知られています。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁に属する別表神社の地位を持っています。

祭神

この神社の主祭神は高龗神（たかおかみのかみ）で、配神として大山祇神と大雷神が祀られています。元々は罔象女神が主祭神でしたが、1922年に丹生川上神社中社と合併した際に高龗神に変更されました。高龗神は古くから祈雨や止雨の神として信仰されてきました。

歴史

神社の歴史は古く、明治時代初期までは小規模な高龗神社という名称で、詳細な由緒は不明でした。大滝ダムの建設に伴う発掘調査により、奈良時代以前の祭壇や、約4000年前に遡る縄文時代の祭祀遺跡が発見され、歴史的な意義が再確認されました。

明治6年（1873年）には郷社に昇格し、その後、当時の官幣大社丹生川上神社の少宮司によって上社と下社との関係が明らかにされました。明治29年（1896年）には「官幣大社丹生川上神社」と改名されましたが、その後、思想の変化により1922年に再び名称が変更され、上社と下社は中社に含まれる形となりました。同時に祭神も再び高龗神に変更されました。

戦後の昭和27年（1952年）には独立した神社として現在の地位を確立しました。

境内

本殿は三間社流造りで、銅板葺きの建築が特徴です。旧境内地は大滝ダムの建設によって水没しましたが、平成10年に伊勢神宮の古材を用いて新たに本殿が造営されました。旧社殿は大正6年（1917年）に建設され、飛鳥坐神社に移築されています。

摂末社

境内にはいくつかの摂末社が存在し、愛宕社（火武須毘神）、恵比須社（大国主神・言代主神）、水神社（弥津波能売神）、山之神社（大山祇神）が祀られています。

祭事

主な祭事である例祭は10月8日に行われ、明治8年（1875年）以降は盛大に行われてきましたが、現在は地域に密着した祭典となっています。また、歴史的に重要な宮の平遺跡も境内内にあります。

現地情報

神社の所在地は奈良県吉野郡川上村大字迫167で、交通アクセスには大和上市駅から奈良交通バスを利用することができます。

参考文献

• - 『式内社調査報告 第2巻 大和国（A）』
• - 『神道大辞典 縮刷版』
• - 『日本の神々－神社と聖地 第4巻大和《新装復刊》』

丹生川上神社上社は、古代から続く信仰の中心地として、地域の人々に親しまれ続けています。

もう一度検索