飛鳥坐神社

飛鳥坐神社について

飛鳥坐神社（あすかにいますじんじゃ）は、奈良県高市郡明日香村にある歴史的な神社です。この神社は式内社の名神大社として知られており、旧社格は村社です。特に毎年2月に行われる「おんだ祭」は独特な祭りで、多くの参拝者を引き寄せています。

祭神

飛鳥坐神社には、以下の四柱の祭神が祀られています。
1. 八重事代主神
2. 大物主神
3. 飛鳥神奈備三日女神（賀夜奈流美乃御魂）
4. 高皇産靈神

この神社に関連する祭神の記載は、927年に成立した『延喜式』神名帳に遡ります。他にも、異説として『大神分身類社鈔』や『五郡神社記』、さらには『出雲國造神賀詞』などの記載があり、多様な神々の比定が行われています。特に『出雲國造神賀詞』には「賀夜奈流美の御魂が飛鳥の神奈備に坐している」と記されています。

歴史

飛鳥坐神社の創建年代は不明ですが、その由緒についてはいくつかの文献に触れられています。『日本書紀』の686年に記載された内容には、天武天皇が病気平癒を祈願ために神社で奉幣を行ったことが示されています。また、『日本紀略』には829年に神託を受けて現在の鳥形山に遷座したことが記されています。その遷座以前の場所についての詳細は不確かで、さまざまな説があります。

鳥形山は、他の神社に引き立てられる重要な神聖な場でもあります。創建時から天照大神を祀るための地としても知られ、近世には「元伊勢」とも称されていました。

その後、寛永17年には高取城主・植村家政が社を深く信仰し、1725年には火災により社殿が大半焼失。その後1781年に再建されましたが、2001年に老朽化したため、吉野の丹生川上神社上社から社殿を譲り受け、移築され再建されました。

境内

境内には、いくつかの重要な建物があります。

• - 本殿：2001年に移築・再建された丹生川上神社上社の本殿が現在の本殿です。
• - 幣殿
• - 拝殿
• - 神饌所
• - 神楽殿
• - 西良殿
• - むすびの神石：陰陽石
• - 飛鳥井
• - 旧社務所
• - 新社務所

また、境内には祓戸神社や白髭神社、奥の社などの摂社・末社が点在し、様々な神々が祀られています。

祭事

特に注目される祭事は、2月第1日曜日に行われる「おんだ祭」です。この祭りでは、天狗や翁が竹棒を持ち、参加者を叩くというユニークな行事があります。また、祭りの一環として行われる寸劇では、性行為を模した滑稽な演技が見られるため、奇祭として広く知られています。境内には、男性器を模した石も多く安置されており、これは祭りのユニークな特徴となっています。

関連項目

この神社に関する興味深いエピソードとして、折口信夫にまつわる話があります。彼の祖父は当社の宮司の養子となり、折口信夫は終生、飛鳥の由緒ある神社の出自に誇りを持っていました。

飛鳥坐神社はその歴史の深さと奇祭で、訪れる人に独特な体験を提供しています。

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