丹羽正治

丹羽正治：実業家としての成功とテレビ界への貢献

丹羽正治（1911年4月19日 - 1992年1月11日）は、日本の実業家であり、テレビプロデューサーとして多大な貢献を果たした人物です。大阪府堺市出身。大阪商科大学高等商業部卒業後、1932年に松下電器製作所に入社しました。1939年には常務取締役に就任するなど、順調にキャリアを積みます。

第二次世界大戦後、1945年には松下航空工業へ移籍し専務取締役を務めます。そして、1947年、松下幸之助の公職追放に伴い、35歳の若さで松下電工の代表取締役社長に就任。これは、まさに大きな転機となりました。

社長就任後、丹羽は松下幸之助の経営哲学を忠実に実践し、松下電工を売上高1兆円規模の大企業へと成長させました。その手腕は高く評価され、1977年2月には代表取締役会長に就任。1989年2月には名誉会長となり、その役職を退きました。

丹羽正治氏の功績は、松下電工の経営に留まりません。彼は、テレビプロデューサーとしても長年にわたって活躍しました。代表的な作品として、国民的な人気番組となった『ナショナル劇場』シリーズがあります。

『ナショナル劇場』は、1956年4月2日から1992年3月30日まで放送され、時代劇やコメディなど幅広いジャンルの番組を制作、放映しました。他に、『顎十郎捕物帳』、『オレと彼女』、『ドカンと一発!』、『こんにちは!そよ風さん』、『S・Hは恋のイニシァル』、『水戸黄門』、『大岡越前』、『江戸を斬る』、『翔んでる!平賀源内』など、数多くの番組を手がけ、日本のテレビドラマ史に大きな足跡を残しました。これらの番組は、日本のテレビ文化に多大な影響を与え、現在でも高く評価されています。

丹羽氏の活動は、企業経営やテレビ制作にとどまらず、社会貢献活動にも及んでいました。PHP研究所副所長、松下政経塾副塾長、産業構造審議会委員などを歴任し、幅広い分野で活躍しました。

1973年には藍綬褒章、1981年には勲二等旭日重光章を受章するなど、その功績は政府からも高く評価されました。

丹羽正治は、1992年1月11日、急性肝炎のため80歳で逝去しました。しかし、彼の遺した功績は、松下電工の繁栄という形、そして数々の名作テレビ番組という形、そして日本の経済・社会の発展への貢献という形で、長く人々の記憶に残り続けることでしょう。

家族・親族

松下正治（義兄・松下電器産業名誉会長）
丹羽巌（長男）

受賞歴

1973年 - 藍綬褒章
1981年 - 勲二等旭日重光章

参考文献・出典

* 『現代物故者事典（1991 - 1993）』日外アソシエーツ、1994年5月。ISBN 978-4-8169-1233-7。

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