久慈市立久慈湊小学校

岩手県久慈市湊町第15地割に位置する久慈市立久慈湊小学校は、地域の公立小学校として子どもたちの教育を担っています。その歴史は古く、明治時代から今日まで、幾多の変遷と困難を乗り越えながら、地域教育の中心として歩み続けています。

沿革

久慈湊小学校の起源は、1877年（明治10年）5月10日に公立門前小学校として、門前上屋敷に開校したことに始まります。設立後、学校の名称は時代の流れに合わせて変わりました。1887年（明治20年）4月には公立門前尋常小学校に、1892年（明治25年）4月には久慈町立門前尋常小学校となりました。

学校の歴史において、自然災害は大きな影響を与えてきました。1896年（明治29年）6月15日には、明治三陸地震とそれに続く津波により、校舎が失われるという大きな被害に見舞われました。しかし、その困難を乗り越え、翌1897年（明治30年）7月には庵寺前に新しい校舎が建てられ、教育活動が再開されました。1908年（明治41年）4月には小学校令の改正により、尋常科の修業年限が6年間に延長されました。

大正時代に入り、学校は再び大きな変化を迎えます。1922年（大正11年）9月26日には、久慈町大字門前19地割13番地へと校地が移され、新しい校舎が完成しました。この移転に伴い、同年10月30日には久慈町立久慈湊尋常小学校と名称が変更されました。さらに翌1923年（大正12年）4月には高等科が設けられ、久慈町立久慈湊尋常高等小学校となりました。

昭和時代も、学校は再び自然災害に見舞われます。1933年（昭和8年）3月3日には、昭和三陸地震とそれに続く津波により被害を受けました。困難な状況の中でも学校運営は続けられ、1934年（昭和9年）には2月27日に校旗が、5月10日には校歌がそれぞれ制定され、学校のシンボルが確立されました。1937年（昭和12年）11月3日には、創立60周年を祝う記念式典が挙行されました。

太平洋戦争中の1941年（昭和16年）4月1日には、国民学校令に基づき、久慈湊国民学校と改称されました。戦後、新しい学制が施行されると、1947年（昭和22年）4月1日に久慈町立久慈湊小学校と名称が戻されました。同年11月3日には創立70周年記念式典が開催されました。施設の拡充も進み、1950年（昭和25年）12月には校舎の増築が行われ、1951年（昭和26年）12月には校歌の歌詞が改定されました。

1954年（昭和29年）11月3日、久慈町の市制移行に伴い、学校の名称も久慈市立久慈湊小学校と変更されました。1955年（昭和30年）6月には校章が定められました。創立80周年記念式典は1957年（昭和32年）5月10日に挙行されました。

校舎の近代化も進められました。1963年（昭和38年）8月に新校舎の第一期工事が、1964年（昭和39年）8月には第二期工事が完了しました。1968年（昭和43年）10月30日には体育館が完成し、同年11月17日には新校舎の落成と創立90周年を記念する両式典が開催されました。1971年（昭和46年）9月からは学校給食が始まりました。

創立100周年の記念式典は、1977年（昭和52年）10月30日に盛大に執り行われました。その後も教育環境の整備は続けられ、1982年（昭和57年）3月には理科室や家庭科室、視聴覚室といった特別教室の増築が行われました。1986年（昭和61年）12月には校庭に排水溝が設置され、環境改善が図られました。平成に入ると大規模な改修工事が行われ、1992年（平成4年）3月に校舎西側、1993年（平成5年）11月に校舎東側、1994年（平成6年）10月には体育館と、施設全体の更新が進められました。創立120周年記念式典は1998年（平成10年）3月7日に開催されました。

21世紀に入り、施設の安全対策が強化されました。2006年（平成18年）3月には校舎の、10月には体育館の耐震補強工事が完了しました。創立130周年記念式典は2007年（平成19年）5月10日に挙行されました。

2011年（平成23年）3月11日、東日本大震災とそれに伴う津波により、校舎は再び被害を受けました。しかし、学校は復旧・復興に向けて歩みを進め、2012年（平成24年）1月には全学級に電子黒板が導入されるなど、ICT環境の整備も進められました。2013年（平成25年）3月11日には、久慈市復旧・復興・飛躍への集いが学校で開催され、当時の体験が発表されました。2014年（平成26年）12月4日には復興支援のためのアウトリーチコンサートが行われました。

施設の修繕・改修は継続して行われ、2015年（平成27年）10月1日にはベランダの修繕工事が完了しました。教育体制の拡充も図られ、2016年（平成28年）4月1日には特別支援学級（知的障害）が新たに設置されました。安全対策として、同年5月14日には新しい避難道が完成しました。同年8月31日の台風10号や2019年（令和元年）10月12日の台風19号により、それぞれ床上浸水や床下浸水の被害に見舞われることもありましたが、学校は活動を続けています。2017年（平成29年）には創立140周年を記念する様々な行事が実施されました。2021年（令和3年）4月には特別支援学級（肢体不自由）が新たに設置され、より多様なニーズに対応できる教育環境の整備が進められています。

年間行事

久慈湊小学校では、子どもたちの健やかな成長と学びを支援するため、年間を通じて多彩な行事を実施しています。

4月：新任式、始業式、入学式、避難訓練、授業参観、PTA総会、1年生を迎える会、交通安全教室
5月：交通安全教室、児童総会、家庭訪問、運動会
6月：知能テスト、遠足、新体力テスト、漢字検定
7月：県自転車大会、ごみ拾い・草取り奉仕作業、期末面談、終業式、夏休み
8月：始業式、夏休み作品展、児童総会
9月：避難訓練、グリーンキャンプ、修学旅行、児童総会、IBC子ども音楽コンクール、計算検定、球技大会、祖父母参観日
10月：マラソン大会、学習定着度調査、学習発表会
11月：就学時検診、児童会祭り、1日参観日、音楽発表会
12月：CRT検査、期末面談、終業式、冬休み
1月：始業式、冬休み作品展
2月：授業参観、避難訓練、児童総会、新一年生1日入学、計算検定
3月：修卒認定会、6年生を送る会、修了式、卒業式、離任式

学区

久慈湊小学校の学区に含まれる地域は以下の通りです。

田屋町
新井田
湊町
夏井町
旭町
源道
京ノ森

学校周辺とアクセス

学校は久慈市湊町の地域中心部に位置しています。近隣には、同じ敷地内に久慈湊学童ひまわりクラブがあり、またファミリーマート久慈湊町店が隣接しています。周辺にはセレモニーホール久慈玉泉院、国道395号、国道45号、久慈IC、そして久慈川や長内川、久慈大橋などがあります。

公共交通機関を利用して来校する場合、岩手県北バスの「久慈大野線」または久慈市コミュニティバス『のるねっとKUJI』の「侍浜線」・「川代線」に乗車し、「久慈湊小学校前」バス停で下車するのが便利です。

久慈駅行きのりばから学校正門までは、徒歩でおよそ135メートル、約2分程度です。
おおのキャンパス行（県北バス）、北野行・陸中川代行（のるねっとKUJI）のりばから学校正門までは、ファミリーマート久慈湊町店付近にある国道395号を渡る横断歩道を経由し、徒歩でおよそ155メートル、約2〜3分程度です。

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