久我敏通

久我敏通（こが としみち）は、江戸時代中期に活躍した公卿です。元文2年（1737年）に叙爵し、清華家の当主として異例の速さで昇進を重ねました。侍従、左近衛少将、左近衛中将などの要職を歴任し、寛延元年（1748年）には従三位となり、公卿の仲間入りを果たします。

宝暦3年（1753年）には権大納言に就任しますが、父である久我通兄とともに竹内敬持の門下生であったことが災いし、宝暦6年（1756年）に権大納言を辞職せざるを得なくなります。同年、わずか22歳という若さでこの世を去りました。

徳川幕府崩壊後の明治24年（1891年）になって、久我敏通は名誉を回復し、正二位を追贈されました。これは、彼の業績と不当な扱いに対する正当な評価と言えるでしょう。

系譜

父：久我通兄
母：家女房
妻：不詳
養子：久我信通（実父は広幡長忠）

久我家について

久我家は、村上源氏の流れを汲む名門公家であり、代々朝廷に仕えてきました。江戸時代には清華家に列せられ、高い家格を誇っていました。久我家からは、多くの有能な人材が輩出され、朝廷の要職を歴任しました。

宝暦事件との関わり

宝暦事件は、宝暦年間に京都で発生した尊王攘夷運動に関連する事件です。久我敏通は、父とともに竹内敬持の門下生であったことから、この事件に関与したとされ、処罰を受けました。しかし、事件の詳細や彼の関与の程度については、明確にはわかっていません。

関連項目

久我家
宝暦事件

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