久米村 (岡山県)

久米村

久米村（くめそん）は、かつて岡山県久米郡に置かれていた村です。現在は、津山市のくめ、久米川南、宮尾、領家といった地域にあたります。

明治22年（1889年）の町村制施行時に誕生し、昭和30年（1955年）に廃止されるまで、約66年間にわたり存続しました。特に、久米町誕生後の町域再編において、旧村域の大字宮尾と大字領家の一部から、新たな大字である「くめ」が設けられています。

沿革

この村の歴史は、明治22年（1889年）6月1日に始まります。当時の久米北条郡に属していた久米川南村、宮尾村、領家村の三村が合併し、「久米村」として発足しました。村の行政の中心である村役場は、大字久米川南に置かれました。

その後、明治33年（1900年）4月1日には、郡の再編が行われます。久米北条郡が久米南条郡と合併し、新たに「久米郡」が成立しました。これにより、久米村は久米郡の所属となりました。

村の歩みは、昭和30年（1955年）1月1日に一つの区切りを迎えます。久米村は、同じ久米郡に属していた大井町、倭文村と合併し、新たな自治体である「久米町」の一部となりました。これをもって、自治体としての久米村はその歴史を閉じることになります。

地区

久米村を構成していた主な地区は、村の成立時に合併した旧村名に由来します。

久米川南
宮尾
領家

これらの地名は、現在も津山市内の大字として残されています（一部は「くめ」に再編）。

教育

村域内に存在した教育機関としては、誠道小学校がありました。

交通

廃止当時の村域における交通網は以下の通りです。

鉄道: JR姫新線の美作千代駅が村内に位置しており、地域住民の重要な交通手段の一つでした。
道路: 村が廃止された昭和30年当時は、まだ未完成の道路網も少なくありませんでした。
高速道路: 現在では中国自動車道が村の旧域を通過していますが、廃止当時は存在していませんでした（通過のみでインターチェンジは無し）。
国道: 国道181号線が村域を縦断していました。
県道: 主要地方道である岡山県道70号久米建部線が通っていました。

地理

久米村の自然環境としては、吉井川や久米川といった河川が村域を流れています。

寺院・神社

村内に所在した主な寺院や神社としては、以下のようなものが挙げられます。

寺院: 円光寺、大法寺
神社: 八幡神社、藤和田神社

これらの施設は、地域の人々の信仰や文化の中心として機能していました。

参考文献

本記事の作成にあたっては、以下の文献が参照されています。

和泉橋警察署 『新旧対照市町村一覧』第2冊（東京：加藤孫次郎, 1889（明22））
地名編纂委員会 『角川日本地名大辞典33 岡山県』（角川学芸出版, 1989, ISBN 4040013301）

関連項目

* 岡山県の廃止市町村一覧

久米村は、このように地域の歴史、地理、文化にその痕跡を残しており、岡山県の廃止市町村の一つとしてその名が記録されています。

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