久美浜町安養寺

久美浜町安養寺の概要

久美浜町安養寺（くみはまちょうあんようじ）は、京都府京丹後市にある地域であり、2020年の国勢調査によると、31世帯、91人が住んでいます。この地域の名前は、曹洞宗系の寺院である安養寺に由来しています。

地理

安養寺は久美浜町の東部に位置しており、佐濃谷川の支流である安養寺川に沿って集落が形成されています。周囲は北を除いて山に囲まれた小さな谷にあり、北側には野中、東側には佐野が存在します。北端部は周辺の集落と接しており、特に野中郵便局は安養寺内に位置しています。また、南側には標高446メートルの青地岳がそびえています。

歴史

近世の発展

久美浜町安養寺の歴史は、古文書に記されており、慶長5年（1600年）の時点で25戸の戸数が確認されています。江戸時代には、安養寺村として知られ、時代と共に領主が変遷しました。村高は173石余から146石余であり、元禄4年（1691年）には大洪水が発生し、村の形が大きく変わりました。1864年には大火が発生し、多くの家が焼失しました。

近代への移行

1868年には久美浜県の領域に属し、その後1871年に豊岡県に、1876年には京都府に編入されました。1889年には町村制の施行により、周辺の村々と合併し上佐濃村が設立され、安養寺もその一部となりました。1951年には上佐濃村が下佐濃村と合併し佐濃村が成立し、更に1958年には久美浜町に編入されました。2004年には京丹後市が設立され、安養寺はその大字となりました。

安養寺（寺院）

曹洞宗系の安養寺は普門山という山号を持ち、本尊は定朝作の十一面観世音菩薩です。伝承によると、1138年に奈良の東大寺から移ってきた永信霊昌が伽藍を建立したとされています。かつては七堂伽藍を持っていた大きな寺院であり、再興時に曹洞宗に改宗しました。2017年には屋根の葺き替え工事が行われ、歴史的な建物が保全されました。

文化・教育

安養寺では伝統的な行事として蝋燭能が行われています。観世流の能楽師である藤村昌子が1957年に再興した藤村好諷会や、近年のたんたんのうのう会を通じて、地域の若手能楽師の育成が行われています。

また、かつては京丹後市立佐濃小学校が設立されていました。この小学校は1873年に開校し、その後1889年に上佐濃尋常小学校に改称されました。1967年に両校が統合され、佐濃小学校として新たに設立されましたが、地域の人口減少に伴い、最終的には2014年に閉校し、他の学校と統合して新しい学校が設立されました。

名所と地域の特性

安養寺の地域には、八木神社があります。この神社はネコの守護神として信仰されており、特に家を荒らすネズミの対策として猫を代わりに祀るという独自の信仰があります。また、周辺には三玉神社や産魂神社も存在します。

このように、久美浜町安養寺は自然に囲まれた静かな地域で、歴史的な背景を持つ寺院と、伝統芸能、教育の場として地域の文化を育んでいます。

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