乗鞍高原いがやスキー場

乗鞍高原いがやスキー場は、かつて長野県松本市（旧安曇村）に存在したスキー場です。1988年に安曇村によって開設され、往年の名スキーヤー猪谷千春が少年時代に練習コースとして利用していたことにちなんで名付けられました。

このスキー場は、ファミリー層を主なターゲットとしており、キッズパークの充実が特徴でした。また、スノーボードも全面滑走が可能で、90年代半ばには、乗鞍高原温泉スキー場（現在のMt.乗鞍）でスノーボードが禁止されていたこともあり、多くのスノーボーダーが訪れていました。

ナイター営業は年末年始と土曜日に実施されていましたが、2009シーズンを最後に営業を終了しました。最終営業日となった2009年3月21日の夜には、スキーヤーによる松明滑走イベントが開催され、名残を惜しみました。

また、強風などでMt.乗鞍のクワッドリフトが運休した場合、いがやスキー場にスキー客が集中し、大変混雑したという状況もありました。

Mt.乗鞍は、ゲレンデ下部が中急斜面主体であり、緩斜面エリアへはリフトの乗り継ぎが必要なため、初心者には難易度が高いという側面がありました。そのため、いがやスキー場は、初心者や子供連れの団体客が安心してスキーを楽しめるゲレンデとして重宝されていました。

乗鞍高原スキー学校のいがや分校も存在し、SAJのスキー学校として運営されていましたが、バッジテストは実施されていませんでした。

2011年3月をもって独立したスキー場としての営業は終了しましたが、翌シーズンからはMt.乗鞍の一部「Mt.乗鞍スノースマイルエリア」として営業を再開しました。しかし、2013年12月からは休止状態となっています。

コース構成

1基のペアリフト(834m)によって、2本のコースが設置されていました。

プライマリーコース（初級）：ペアリフトを降りて右手（北側）に位置し、比較的斜度が緩やかなコースです。滑り出しは少し斜度がありますが、すぐに平坦になります。コース幅が広く、リフトに近い方が急斜面で、離れるほど緩やかになっています。
パノラマコース（初級）：ペアリフトを降りて左手に位置し、最初は緩斜面ですが、途中から斜度のある一枚バーンとなります。コース上部は台地の上側に位置し、プライマリーコースよりも高い場所にあります。中腹でプライマリーコースと合流します。斜度がきつくなる箇所では、プライマリーコースに横移動することも可能で、そこは非圧雪のため、降雪時にはパウダースノーを楽しむことができました。

両コースは中盤で合流し、必ずリフト乗り場に戻るレイアウトのため、迷子になる心配が少なく、子供連れや初心者でも安心して滑走を楽しむことができました。

アクセス

長野自動車道 松本ICから約40km
東海北陸自動車道 高山西ICから約60km
アルピコ交通 上高地線：新島々駅（バス約60分）
アルピコ交通バス：番所バス停（徒歩約8分）

現在、乗鞍高原いがやスキー場は営業していませんが、その歴史は乗鞍高原のスキー文化の一部として語り継がれています。

関連情報

日本のスキー場一覧
乗鞍高原
* Mt.乗鞍

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