乙津寺

瑞甲山 乙津寺（おっしんじ）

乙津寺は、岐阜県岐阜市に位置する臨済宗妙心寺派の寺院で、瑞甲山を山号としています。一般には「鏡島弘法（かがしまこうぼう）」の名で広く知られ、その通称で呼ばれることが多いです。毎月21日の縁日には多くの参拝客で賑わいを見せます。

ご本尊と札所

本尊は十一面千手観世音菩薩で、厄除けの霊場として信仰を集めています。東寺、川崎大師と並び「日本三躰厄除け弘法大師」の一つに数えられ、東海三十六不動尊霊場第三十一番札所、美濃三弘法札所第三番札所、美濃四国札所第四十四札所、美濃三十三観音第十九札所（2008年5月より）にも指定されています。

歴史

寺伝によれば、乙津寺は738年（天平10年）に行基によって草庵が築かれたのが始まりとされています。その後、814年（弘仁5年）には空海がこの地を訪れ、寺を建立したと伝えられています。

1540年（天文9年）には洪水の被害に遭いましたが、1545年（天文14年）に鏡島城主石河駿河守光清が孤岫宗峻を招き、寺を再興しました。この際、臨済宗妙心寺派に改宗しています。

1945年（昭和20年）には、空襲により建物のほとんどが焼失しましたが、本尊などの重要な仏像は長良川へ運び出され、難を逃れました。その後、住職が小さな仮建物を建て、仏像を安置しました。

1953年（昭和28年）には入母屋造の本堂と拝殿が再建され、1958年（昭和33年）には大師堂などの建物も再建されました。大師堂には、堂本印象から寄進された天井墨絵「雲龍」が飾られています。

文化財

乙津寺には、以下の重要な文化財が所蔵されています。

木造千手観音立像（十一面千手観世音菩薩）：天平時代の作
木造毘沙門天立像：平安時代の作
木造韋駄天立像：鎌倉時代の作

また、境内は梅の名所としても知られ、「弘法の梅」と呼ばれる梅の木があります。この梅は、弘法大師が立てた杖から枝葉が生え、梅の木になったという伝説が残っています。

境内と周辺

乙津寺の近くには長良川が流れ、「小紅の渡し」と呼ばれる渡し場があり、毎月21日の縁日には多くの人が訪れ賑わいます。

所在地と交通アクセス

所在地：岐阜県岐阜市鏡島中2丁目8番1号

交通アクセス:

バス
岐阜乗合自動車（岐阜バス）「鏡島弘法前」バス停下車、徒歩約5分
岐阜乗合自動車（岐阜バス）「鏡島精華3丁目」バス停下車、徒歩約15分

「鏡島弘法前」バス停へのアクセス

JR岐阜駅バスターミナル
6番のりば：鏡島市橋線「（W15）市橋」行き
7番のりば：岐阜高富線「（G51）西鏡島」行き
10番のりば：鏡島市橋線「（K15）市橋」行き
名鉄岐阜のりば
1番のりば：鏡島市橋線「（W15）市橋」行き
3番のりば：鏡島市橋線「（G51）西鏡島」行き
5番のりば：鏡島市橋線「（K15）市橋」行き

「鏡島精華3丁目」バス停へのアクセス

JR岐阜駅バスターミナル
6番のりば：美江寺穂積線「（G66）巣南庁舎」行き
7番のりば：北方河渡線「（G61）芝原6丁目」行き
名鉄岐阜のりば
* 5番のりば：美江寺穂積線「（G66）巣南庁舎」行き・北方河渡線「（G61）芝原6丁目」行き

外部リンク

瑞甲山 乙津寺 公式サイト

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