九州山義雄

九州山 義雄について

九州山義雄（きゅうしゅうざん よしお、1913年10月20日 - 1990年5月30日）は、福岡県山田市（現在の嘉麻市）の出身であり、大相撲界に名を馳せた力士です。本名は大坪義雄で、彼は出羽海部屋に所属しました。その力士としての経歴は、一目でわかるような特徴を持っていました。彼の最高位は西小結であり、体格は身長176cm、体重88kgでした。

生い立ちと初土俵

昭和5年（1930年）1月の場所において初めて土俵に立ちました。その年から翌年にかけて連続して勝ち越しをし、昭和7年（1932年）5月の場所で十両に昇進しました。当初は春秋園事件からの帰還力士たちとの対戦などで様々な経験を積むこととなり、十両昇進には時間を要しました。しかし、昭和9年（1934年）1月場所で彼は幕内力士として大成を遂げ、大正生まれとして初めての快挙を成し遂げました。

相撲スタイルと功績

九州山は、その相撲スタイルで知られていました。彼は激しく動き回り、相手を撹乱する技術に優れ、いくつかの重要な勝利を収めました。特に昭和13年（1938年）1月場所では小結に昇進し、その後の本場所で横綱玉錦を素首落としで打ち破る世紀の勝利を記録しました。この戦いは彼の名声を不動のものとしました。

さらに、同年6月には準場所で横綱双葉山を破るという偉業を成し遂げます。この時、双葉山は本場所で66連勝中、準場所で61連勝中という記録を持っており、九州山の勝利は大きな衝撃をもたらしました。

兵役とその後のキャリア

戦争が勃発し、彼は応召して兵役に就き、中国戦線での経験を積むことになります。この際、昭和14年（1939年）1月場所から昭和16年（1941年）1月場所まで、彼の番付は前頭2枚目格でありながら、出場していました。昭和16年5月場所に戻った九州山は、再び幕内の上位で活躍を続けました。

昭和17年（1942年）5月場所では、横綱羽黒山に対して蹴手繰りで見事に勝利を収め、彼の実力を証明しました。その後、昭和20年（1945年）6月場所まで活躍を続けましたが、終戦とともに九州山は相撲界を去ることになりました。彼はまた、在郷軍人会の分会長を務めるなど、貢献も行った人物でした。

プロレスキャリアと遺産

相撲界を引退した後、九州山はプロレスに転向しました。日本プロレスのレフェリーとして活動し、相撲から受け継いだ精神を活かしつつ、新たなフィールドでも力を発揮しました。彼の生涯は、力士として、またプロレスラーとしてのキャリアを通じて多くの人々に影響を与え続けました。

結論

九州山義雄は、大相撲界において特異な存在であり、その相撲や後のプロレス活動を通じ多くの人に愛されました。その功績と精神は、今もなお後輩たちに受け継がれています。

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