九真郡

九真郡（きゅうしんぐん）

九真郡は、かつてベトナム北部に存在した、中国王朝が設置した郡である。

歴史

前漢

紀元前111年（元鼎6年）、前漢が南越国を滅ぼした際に九真郡が設置された。当時の九真郡は交州に属し、以下の7県を管轄していた。

胥浦（しょほ）
居風（きょふう）
都龐（とほう）
余発（よはつ）
咸驩（かんかん）
無功（むこう）
無編（むへん）

後漢

後漢時代になると、九真郡の管轄県は以下の5県に減少した。

胥浦
居風
咸驩
無功
無編

晋

晋の時代には、九真郡は以下の7県を管轄した。

胥浦
移風（いふう）
津梧（しんご）
建初（けんしょ）
常楽（じょうらく）
扶楽（ふらく）
松原（しょうげん）

南朝宋

南朝宋の時代には、九真郡の管轄県は大幅に増加し、以下の11県を管轄した。

移風
胥浦
松原
高安（こうあん）
建初
常楽
軍安（ぐんあん）
武寧（ぶねい）
都龐
寧夷（ねいい）
津梧

南朝斉

南朝斉の時代には、九真郡は以下の10県を管轄した。

移風
胥浦
松原
高安
建初
常楽
津梧
軍安
吉龐（きっぽう）
武寧

梁

523年（普通4年）、交州から分割されて愛州が設置されると、九真郡は愛州に属することとなった。

隋

589年（開皇9年）、隋が南朝陳を滅ぼすと、九真郡は廃止され、愛州に編入された。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、愛州は再び九真郡と改称された。この時の九真郡は、以下の7県を管轄した。

九真
移風
胥浦
隆安（りゅうあん）
軍安
安順（あんじゅん）
* 日南（にちなん）

唐

622年（武徳5年）、唐により九真郡は愛州と改められた。その後、742年（天宝元年）に再び九真郡と改称されたが、758年（乾元元年）には再び愛州と改称され、九真郡の呼称は歴史から姿を消した。

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