乾直建

乾直建の生涯と業績

乾直建（いぬい なおたけ、生年不詳 - 1760年10月29日）は、江戸時代中期に存在した土佐藩の上士であり、特にその役職や家族による影響が非常に大きかった人物です。彼は土佐国幡多郡代を務め、禄高は300石でした。板垣支流の乾氏の第6代当主で、家紋は「榧ノ内十文字」となっています。また、彼は板垣退助の高祖父でもあります。

生い立ちと家族背景

乾直建は土佐藩上士である乾正清（與惣左衛門）の嫡男として、高知城下（現在の高知県高知市）で生まれました。彼には4人の兄弟がおり、幼名は虎丞、後に金右衛門、庄助と名乗り、最終的には加助に改名しました。母は出雲路直元の妹であり、家族のつながりが彼の人生に大きな影響を与えました。直建の名に含まれる「直」は、伯父の出雲路直元から取られたもので、通常乾家では「正」や「信」の文字を使用するため、これは異例の命名です。

初期のキャリア

1718年（享保3年）、直建は土佐藩主である山内豊隆に惣領御目見を命じられ、また1731年9月28日（享保16年8月28日）には、大御小性としての役割を与えられました。次第に彼の地位は向上し、1734年には火消役を担い、1736年に父の死を経て、彼の跡を継ぐこととなります。

跡目相続と役職

1737年1月25日、直建は父の遺志を受け継いで、土佐藩主・山内豊敷から300石の跡目を譲り受けました。1751年には幡多郡代としての役職を命じられ、その後も様々な職務を通じて地域社会に貢献しました。特に1752年には御留守居物頭に任命されましたが、その後幡多郡代を解任されました。

晩年と死去

彼の晩年には病に悩まされ、1760年3月17日には御留守居物頭の職を免じられ、御馬廻を命じられましたが、同年10月29日に病死となります。彼の墓所は高知の薊野村板垣山の山頂にあり、そこに彼の代々の墓地があります。

系譜

乾直建は当時の土佐藩における重要な人物で、彼の生涯を通じて確立されたいくつかの家系図が残されています。彼の系譜については『土佐藩御侍中先祖書系図牒』や『土佐の墓』などの文献が参考にされています。

参考文献

• - 『御侍中先祖書系圖牒』旧山内侯爵家蔵（高知県立図書館寄託文書）
• - 『南路志』武藤到和・武藤平道共編、1815年（文化12年）

乾直建は、その家族や地域社会における役割を通じて、江戸時代の土佐藩において重要な存在であったことがわかります。彼の業績は単なる個の歴史に留まらず、その後の世代に影響を与えるものでした。

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