亀井淳 (ジャーナリスト)

亀井淳は、1935年1月12日に東京都で生まれ、2009年5月10日に74歳で亡くなった日本のジャーナリストです。鳥取県出身の亀井常蔵の長男として生まれ、慶應義塾大学文学部仏文科を卒業後、1957年4月に新潮社に入社しました。同期には作家の江國滋がいました。

新潮社では『週刊新潮』編集部に21年間在籍し、編集部次長を務めた後、1978年に退社してフリーランスのジャーナリストとなりました。その後、日本ジャーナリスト専門学校の専任教員としても活動しました。

ジャーナリストとしての亀井淳は、『週刊新潮』編集部次長の経験を活かし、マスコミ・ジャーナリズムに関する評論を多く発表しました。また、三宅島や沖縄における自衛隊・米軍基地問題の取材・報告を精力的に行いました。特に、週刊新潮の「朝日襲撃犯」スクープ誤報に関する批判は、ジャーナリズムのあり方を問う上で重要な指摘となりました。この問題について、彼は雑誌『ジャーナリスト』2009年4月号に原稿を掲載し、週刊誌メディアの重要性を説きながらも、週刊新潮の取材姿勢を厳しく批判しました。

家族としては、父に慶應義塾大学予科教授の亀井常蔵、妻に翻訳家の亀井よし子、長男に法学者で慶應義塾大学教授の亀井源太郎がいます。

著書としては、以下のような作品があります。

『「週刊新潮」の内幕』（1983年、第三文明社）
『週刊誌の読み方』（1985年、話の特集）
『写真週刊誌の犯罪』（1987年、高文研）
『ドキュメント三宅島』（1988年、大月書店）
『皇室報道の読み方』（1990年、岩波ブックレット）
『皇太子妃報道の読み方』（1993年、岩波ブックレット）
『反人権雑誌の読み方―体験的「週刊新潮」批判』（1996年、第三文明社）
『21世紀のマスコミ』第4巻「出版」（1997年、大月書店）
『反戦と非暴力―阿波根昌鴻の闘い』（1999年、高文研）
『遠い潮の香』(2006年、編集工房・ひろば）【自費出版による自伝】

これらの著書を通じて、亀井淳は、マスコミの内情や問題点、ジャーナリズムのあり方について鋭く分析し、読者に深い考察を促しました。特に、『「週刊新潮」の内幕』や『反人権雑誌の読み方―体験的「週刊新潮」批判』では、自身の経験を踏まえ、週刊誌の問題点を批判的に指摘しました。また、三宅島のドキュメンタリーや沖縄の基地問題に関する取材を通じて、社会的な問題にも積極的に取り組みました。晩年には自伝も出版し、自身の人生を振り返りました。

ジャーナリストとしての亀井淳は、その多岐にわたる活動を通じて、日本のジャーナリズムに大きな足跡を残しました。彼の著作や評論は、現代のメディアリテラシーを考える上で、重要な資料となっています。

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