亀井秀綱

亀井秀綱

亀井 秀綱（かめい ひでつな）は、戦国時代の武将であり、出雲国の戦国大名である尼子氏の家臣として知られています。

生涯

亀井氏は、秀綱の祖父である亀井永綱の代から尼子氏に仕えました。永綱とその子である安綱は、月山富田城奪取戦で活躍し、その功績によって家老に任ぜられました。安綱の子である秀綱は、尼子経久に仕え、永正5年（1508年）に経久が大内義興の上洛に従った際にはこれに随行し、永正8年（1511年）の船岡山合戦にも参加するなど、家老の一人として活動しました。亀井氏は、安綱の頃から尼子家において筆頭家老格として重きをなしていたとされています。

亀井家の家督を相続後、安芸国の毛利氏において、幼少の当主・毛利幸松丸の死後、大内氏寄りの毛利元就が当主となると、尼子氏からの離反の動きを見せ始めました。これに対し、大永4年（1524年）に秀綱は、元就の弟である相合元綱らを教唆し、クーデターによる元就打倒を画策しましたが、智略に優れた元就が先手を打ち、この策略は失敗に終わりました。この事件がきっかけとなり、元就が尼子氏から離反したとされています。また、所領問題で不満を抱く経久の子、塩冶興久の説得に失敗し、興久が謀反を起こす原因を作ったとも言われています。なお、弟の亀井利綱は興久に味方し、享禄5年/天文元年（1532年）に討ち死にしています。

晩年は、経久の曾孫である尼子義久の代まで仕え、第二次月山富田城の戦いに参加し、そこで杉原盛重に親子共に討たれ死亡した（鳥取県境港市に墓所がある）とも、毛利氏に投降したとも言われていますが、詳細は不明です。

最新の研究

最新の研究によると、秀綱は寺社を統率する立場にあり、主君の代理として、出雲国内の宗教勢力（杵築大社・鰐淵寺）と密に書状をやり取りし、多くの寺院の創建や修繕に関わっていました。そのため、多くの書状が現存しています。現存する書状や棟札などを見ると、秀綱の活動が最後に確認できるのは享禄3年（1530年）の塩冶興久の乱に関連するものであり、それ以降の資料では亀井安綱の名前が出ており、この前後に家督が安綱に継承されたことが確認できます。一次史料によって確認できる秀綱の実質的な活動範囲はここまでであり、従来通説とされてきた永禄年間頃の活動は、その後継者によって行われたと推測されています。

関連作品

『毛利元就』（1997年、NHK大河ドラマ、演：河原さぶ）

脚注

注釈

出典

関連項目

尼子経久
尼子晴久
大内義興
* 毛利元就

もう一度検索