亀池

亀池（かめいけ）

亀池は、和歌山県海南市阪井に位置する、豊かな自然に囲まれたため池です。その貯水量は約54万立方メートル、満水時の面積は約13万平方メートルに及びます。和歌山県の生石高原県立自然公園内にあり、農林水産省の「ため池百選」にも選ばれています。紀の川市の桜池、平池と共に和歌山県三大用水池の一つとして知られ、特に春には美しい桜が咲き誇る名所として有名です。

歴史

亀池は、江戸時代、徳川吉宗の時代に活躍した治水家、井沢弥惣兵衛によって築造されました。井沢弥惣兵衛は、現在の海南市野上新出身で、亀の川の改修と並行して、約4kmの導水路と共にこの池を造りました。宝永7年（1710年）には、連日600人以上（延べ55,000人）を動員し、わずか90日間で完成したと伝えられています。現在も143haの農地を潤す重要な水源として活用されています。

双青閣（そうせいかく）

亀池の中央には、「中島」と呼ばれる人工島があり、1968年（昭和43年）に双青閣が移築されました。池のほとりからは歩行者専用の吊り橋で島へ渡ることができ、気軽に散策を楽しめます（ただし、2021年5月現在、夜間は通行止め）。

双青閣は、紀州徳川家第15代当主である徳川頼倫侯爵が、1920年（大正9年）に和歌浦東照宮付近に建てた別邸でした。書院建回廊式の優雅な造りが特徴です。1922年（大正11年）には、当時皇太子であった昭和天皇が和歌山を訪れた際、この双青閣に宿泊されたという歴史があります。その後、頼倫侯爵がヨーロッパへ渡る際に、双青閣は民間に払い下げられました。その後、所有者が和歌山県に寄贈しましたが、改築の際、海南市阪井在住の田村岩友氏が買い取り、1968年（昭和43年）6月に現在の場所に移築・保存されました。田村岩友氏は、1000本の桜を寄贈したことでも知られ、園内にはそれを記念する碑が建てられています。1974年（昭和49年）2月29日、双青閣は海南市に寄贈され、現在に至ります。

アクセス

鉄道・バス: 紀勢本線海南駅から大十オレンジバスで登山口方面へ約20分、「亀池公園」下車後、徒歩約5分。
自動車: 阪和自動車道海南東インターチェンジから国道370号・和歌山県道18号海南金屋線経由で約3km。

外部リンク

* 亀池公園

亀池は、豊かな自然と歴史が調和した、訪れる人々を魅了する場所です。春の桜はもちろん、四季折々の風景を楽しむことができ、心安らぐひとときを過ごせるでしょう。

もう一度検索