事業団

事業団とは

事業団とは、国の経済政策や社会政策を円滑に進めるため、政府、地方自治体、公社などが出資して設立された公共法人の一種です。独立採算を必ずしも求められず、公団と比較して小規模な組織であることが特徴です。

歴史

2001年（平成13年）に政府が策定した特殊法人等整理合理化計画によって、多くの事業団は他の公団や事業団と統合され、独立行政法人や特殊法人へと改組されました。この改革により、事業の効率化と組織の合理化が図られました。

現存する事業団（一部）

現在もいくつかの事業団が存在し、それぞれの分野で重要な役割を果たしています。

日本私立学校振興・共済事業団：私立学校の振興や教職員の共済事業を行っています。
日本下水道事業団：下水道の整備を支援する事業を行っています（ただし、現在は地方共同法人）。

改組・廃止された事業団の例

かつて存在し、現在は改組・廃止された事業団の例をいくつか紹介します。

動力炉・核燃料開発事業団：核燃料サイクル開発機構を経て、日本原子力研究所と統合し、独立行政法人日本原子力研究開発機構となりました。
宇宙開発事業団：宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所と統合し、独立行政法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）となりました。
科学技術振興事業団：独立行政法人科学技術振興機構に移管されました。
環境事業団：独立行政法人環境再生保全機構に移管されました。
国際協力事業団：独立行政法人国際協力機構（JICA）に移管されました。
社会福祉・医療事業団：独立行政法人福祉医療機構に移管されました。
年金福祉事業団：年金資金運用基金に移管されました。
農畜産業振興事業団：野菜供給安定基金と統合し、独立行政法人農畜産業振興機構となりました。
金属鉱業事業団：石油公団と統合し、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構（JOGMEC）となりました。
中小企業事業団：中小企業信用保険公庫と統合し、中小企業総合事業団となりました。
運輸施設整備事業団：日本鉄道建設公団と統合し、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構となりました。
簡易保険福祉事業団：日本郵政公社簡易保険事業本部に移管されました。
労働福祉事業団：独立行政法人労働者健康福祉機構に移管されました。
雇用促進事業団：独立行政法人雇用・能力開発機構に移管されました（その後廃止）。

その他の事業団

上記以外にも、様々な分野で事業団が設立されてきました。これらの事業団は、社会福祉、文化振興、スポーツ振興など、多岐にわたる活動を展開しています。

聖隷福祉事業団（社会福祉法人）
日本テレビ小鳩文化事業団（公益財団法人）
NHK厚生文化事業団（社会福祉法人）
長野県文化振興事業団
* 東京都スポーツ文化事業団


事業団は、時代とともにその役割を変化させながら、日本の経済や社会の発展に貢献してきました。その歴史を知ることは、日本の行政改革の過程を理解する上でも重要です。

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