二十円硬貨

二十円硬貨について

二十円硬貨は、過去に日本で発行されていた硬貨の額面の一つです。大きく分けて、新貨条例によって発行された旧二十円金貨と、貨幣法によって発行された新二十円金貨の2種類が存在します。どちらも1988年（昭和63年）の法律改正により、現在は法定通貨としての効力を失っています。

旧二十円金貨

旧二十円金貨は、1871年（明治4年）に新貨条例に基づいて本位金貨として発行されました。その特徴は以下の通りです。

品位: 金90%、銅10%
直径: 35.0606mm
量目: 33.3333g
特徴: 周囲にギザあり
デザイン:
表面：竜図（阿竜）
裏面：菊紋、桐紋、日章、菊枝と桐枝、錦の御旗（日月旗）、八稜鏡

発行当初は二十円の価値がありましたが、1897年（明治30年）以降は貨幣法によって額面の2倍である40円として通用しました。

旧二十円金貨は、明治3年、9年、10年、13年、25年銘が存在します。特に明治3年銘以外のものは、新しい極印や鋳造機の試験、プルーフ硬貨の試作として製造されたと考えられており、希少価値が非常に高いです。明治25年銘はシカゴ博覧会用にわずか2枚のみ製造されたという記録があります。

1988年（昭和63年）3月末をもって、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律施行と貨幣法の廃止により、その役割を終えました。

新二十円金貨

新二十円金貨は、1897年（明治30年）に貨幣法に基づいて本位金貨として発行されました。その特徴は以下の通りです。

品位: 金90%、銅10%
直径: 28.7878mm
量目: 16.6667g
特徴: 周囲にギザあり
デザイン:
表面：菊紋、菊枝と桐枝
裏面：桐紋、日章、八稜鏡

貨幣法では、「純金ノ量目二分（0.75g）ヲ以テ価格ノ単位ト為シ之ヲ圓ト称ス」と規定されており、新二十円金貨は15gの純金を含むことが定められていました。

新二十円金貨は、明治30年、37～45年、大正元～9年、昭和5～7年銘が存在します。このうち、昭和5・6年銘は大量に発行されましたが、金貨の海外への大量流出により現存数が非常に少なくなっています。また、最終年号である昭和7年銘は製造されたものの、流通せずに終わったとされています。

明治30年銘には、跳明と止明と呼ばれる2種類の手替わりが存在することも特徴です。

新二十円金貨も、1988年（昭和63年）3月末に旧二十円金貨と同様に、その役割を終えました。

まとめ

二十円金貨は、日本の近代貨幣制度において重要な役割を果たした硬貨であり、その歴史的な背景や希少性から、現在でも収集家の間で人気があります。旧二十円金貨と新二十円金貨のそれぞれ異なる特徴や発行背景を理解することで、日本の貨幣史をより深く知ることができます。

脚注

新貨条例：明治時代初期に制定された新しい貨幣制度を定めた法律。
貨幣法：明治時代に制定された、貨幣の発行、流通などに関する基本法。
本位金貨：貨幣制度における価値の基準となる金貨。

関連項目

日本の硬貨
日本の金貨
二十円紙幣

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