五人の賞金稼ぎ

『五人の賞金稼ぎ』は、1969年12月に公開された時代劇映画であり、若山富三郎が主演を務める『賞金稼ぎシリーズ』の第2作です。前作に引き続き、ヨーロッパ圏でも公開され、マカロニウエスタンを彷彿とさせるポスターデザインが特徴的でした。

あらすじ

物語の舞台は、下野黒羽領榎村。領主・大関佐渡守の苛酷な圧政に耐えかねた百姓たちは、砦を築き立て籠もるという手段に出ます。名主・太左衛門は幕府への直訴を決意しますが、幕府が対応するまでの間、砦を守り抜く必要がありました。そこで太左衛門は、浪人・別所四郎五郎に相談を持ちかけます。別所が推薦したのは、かつて剣を交えた宿敵、錣市兵衛でした。

村の若者・新八は、小石川で貧しい人々のために医者として働く市兵衛を訪ね、村を救ってほしいと懇願します。市兵衛は新八の熱意に打たれ、仲間たちと共に榎村へ向かうことを決意します。

主要キャスト

錣市兵衛 (医者・賞金稼ぎ): 若山富三郎
望月弥太郎 (新当流抜刀術): 大木実
陽炎 (伊賀流忍法者): 真山知子
鬼塚隼人 (龍造寺流棒手裏剣): 北村英三
青砥九内 (淋病侍・市兵衛に付き従う): 潮健児

スタッフ

監督: 工藤栄一
脚本: 高田宏治
音楽: 津島利章

製作の背景

本作は「賞金稼ぎシリーズ」の第二弾として製作されましたが、当初は『三人の賞金稼ぎ』というタイトルで、伊吹吾郎、若山富三郎ともう一人の俳優を起用する予定でした。当時、時代劇は斜陽産業と見なされていましたが、1968年以降、『祇園祭』や『御用金』などのヒット作が登場し、時代劇復興の兆しが見え始めていました。しかし、東映の幹部は「時代劇はカネがかかる割に当たらない」と慎重な姿勢を示し、本作の成否を見て、高倉健を起用した時代劇製作も検討したいと話していました。

ロケ地

本作のロケは、京都府城陽市の陸上自衛隊長池演習場で行われました。

その他

公開当時、本作は『代貸』や『ギャング対Gメン』といった作品と同時上映されました。また、『日本ダービー 勝負』のプロトタイプとも言える競馬予想番組が、映画の合間に上映されるという試みも行われました。

『五人の賞金稼ぎ』は、個性豊かなキャラクターたちが織りなすアクション時代劇であり、若山富三郎をはじめとするキャストの熱演、工藤栄一監督による迫力ある演出、津島利章による印象的な音楽など、見どころ満載の作品です。

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