五位ダム

五位ダムについて

五位ダム（ごいダム）は、富山県高岡市福岡町五位及び堀切に位置する重要なダムです。小矢部川水系の子撫川に位置し、矢瀬尾川と三合谷川の合流地点近くにあります。ダムの天端は192.0mの高さに位置し、県が管理するこのダムは、高さ57.0メートル、集水面積は13.8km²という特異なロックフィルダムです。注目すべきは、全国的に少ない中心遮水ゾーン型の構造を持つ点です。また、ダムの建設にかかった費用は約210億円にのぼります。

ダムの目的

五位ダムの主な役割は、氷見市および高岡市内の田畑に農業用水を供給することです。特に地域の農業を支えるために設計されており、安定した水資源の確保は農作物の生産に不可欠です。また、単に水を供給するだけでなく、河川環境の保全を目的として、河川流量を適切に管理することも重要な機能です。このような多面的な役割から、五位ダムは地域社会にとって非常に価値のある施設となっています。

建設の歴史

五位ダムの建設プロセスは1967年に始まりました。初期の予備調査から、1971年には計画直轄調査が行われ、1973年には全体実施設計がスタートしました。1978年には、事業計画が確定し、国営の氷見農業水利事業が着工されます。この時期に着手された多くの工事は、後のダム建設に向けて重要なステップとなります。

1980年に入ると、五位ダム用地の調印式が行われ、同年11月には建設工事が開始されました。1982年に仮排水路工事も行われ、1986年には堤体基礎の掘削から定礎式、盛立作業に至るまで多くの重要なマイルストーンが記録されました。1989年に盛立が完了した後、1991年にはダム部分が完成し、湛水式が挙行されました。1992年には試験湛水が満水に達し、全工事が無事に完了しました。その年の10月には国営の氷見農業水利事業が完工式を迎えました。

その後、ダム湖畔には4㎞のサイクリングロードが整備され、地域住民や観光客が楽しめる施設が充実しました。1993年からは、富山県によるダムの管理業務が始まり、地域の発展に寄与しています。

施設と関連情報

五位ダムは、単なる水の供給施設にとどまらず、関連施設も豊富です。ダム湖沿いには「とやま・ふくおか家族旅行村」というレジャー施設があります。これはダム湖を訪れる人々にとって、休暇やアウトドア活動の場所として人気です。また、五位ダムの湖に架かる「五位山大橋」や、ダムの下流に位置する「子撫川ダム」など、周囲のインフラも充実しています。

五位ダムは日本のダムの中でも独自の特徴を持ち、地域社会に大きく貢献している施設です。多機能なダムとして農業・環境の保全に寄与する五位ダムは、今後もますます重要な役割を果たしていくことでしょう。

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