五十嵐広三

五十嵐 広三の生涯と功績

五十嵐広三（いがらしこうぞう、1926年3月15日 - 2013年5月7日）は、日本の著名な実業家・政治家であり、そのキャリアは多岐にわたる。北海道旭川市に生まれ、戦後半年の1943年に北海道庁立旭川商業学校を卒業し、その後愛別村立愛山国民学校で助教として教鞭を執った。彼は陸軍第7師団に入営し、太平洋戦争の終結を迎えた。

1953年に民芸品販売店を開業し、実業家としての道を切り開く。企業組合ほっかい民芸舎の理事長や、北海道民芸品株式会社の社長として、民芸品の流通に貢献した。さらに、雑穀商や地方新聞社を経営し、多くの事業を展開した。

地方政界への進出

1963年、五十嵐は日本社会党から旭川市長選挙に立候補し、当選を果たす。この時、彼は全国最年少の首長として注目を浴びる。市長在任中の12年間で、全国初となる恒久的な歩行者天国「平和通買物公園」を開設し、旭山動物園の開業など数多くのプロジェクトを推進した。その功績により、彼は「アイディア市長」として広く知られるようになる。また、北海道東海大学や旭川医科大学の誘致にも成功し、地方財界との連携を強化した。

市長を辞した後、五十嵐は1975年と1979年の2度、北海道知事選挙に立候補したが、いずれも現職の候補に敗れる。だが、彼の地方分権促進に対する情熱は変わらず、各種著書も多く執筆した。

国政への進出

1980年、五十嵐は第36回[[衆議院議員総選挙]]で初当選し、その後5回の当選を果たす。国会では、自治・環境委員会の委員長を歴任し、政策形成に尽力した。特に、1993年の細川内閣では建設大臣として初入閣し、長良川河口堰事業の見直しに着手するが、撤回には至らなかった。その後の村山内閣では内閣官房長官として再び入閣し、戦後処理問題や地方分権推進に尽力する。

アイヌ文化の振興と社会的貢献

五十嵐はアイヌ文化の振興にも深い関心を持ち、アイヌ文化振興法の制定に向けた取り組みを行った。また、朝鮮半島出身者に関する問題や、女性のためのアジア平和国民基金の設立にも関与し、社会的課題に対して積極的にアプローチしていた。

晩年と評価

1996年に政界を引退した五十嵐は、再び実業家として「ほくみん」での活動を続け、2013年に87歳で逝去。彼の死後、政府は従三位に叙することを決定した。生前、彼は地方自治や社会問題の解決に尽力し、多くの人々に影響を与えた人物として評価されている。彼の著書や市民運動への貢献が今でも語り継がれている。

彼の生涯を通じて見ると、五十嵐広三は単なる政治家や実業家に留まらず、地域社会と国に対して多大な影響力を持ったリーダーであったと言える。

もう一度検索