井上俊之

井上俊之 - 日本のアニメーター

井上俊之（いのうえ としゆき、1961年7月20日生まれ）は、日本を代表するアニメーターでありキャラクターデザイナーです。大阪府で生まれ育った彼は、スタジオジブリに所属し、スタジオジュニオでの経験を経た後、フリーのアニメーターとして活動を開始しました。特に劇場作品における原画や作画監督の役割を担いながら、多数の名作に貢献してきました。

人物・特徴

井上の作品は、映画『AKIRA』や『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊|GHOST_IN_THE_SHELL___攻殻機動隊』、さらには『魔女の宅急便』など、多くの名高いアニメーションにおける重要なカットで構成されています。彼は、これらの作品において、作品の印象を決定づけるような印象的なシーンを手掛けており、特に草薙素子のビルからのダイブや、キキの空中飛行などがその例と言えます。

監督の原恵一からは「日本アニメ界の宝」と讃えられ、押井守からは「パーフェクトなアニメーター」と評価されてます。井上自身は、作画監督よりも原画マンとしての役割に強いこだわりを持ち、「人間の動きの正確な再現」という表現を追求しています。このため、視覚的な表現において必ずしも自分の色を出すことを選ばず、他作品への影響を避ける姿勢を貫いています。

また、後輩への指導にも力を注いでおり、自身の知識と技術を次世代に伝えることに努めている点も、彼の魅力の一部と言えるでしょう。

経歴

アニメーターを目指すきっかけは、高校生の頃に観た宮崎駿監督の『未来少年コナン』に触れたことでした。当時創刊されたアニメ雑誌「アニメージュ」を通じて、多くの著名なアニメーターたちの名前とその作品を知った彼は、業界への興味を深め、アニメーターとしての道を決意します。高校卒業後、大塚康生らによるテレコム・アニメーションフィルムの試験には不合格になったものの、大阪デザイナー学院に進学し、さらなる技術を磨きます。

卒業後には、スタジオジュニオに入社。1983年に『ストップ!! ひばりくん!』で原画デビューを果たし、その後の『Gu-Guガンモ』では注目を浴びる存在となりました。1988年の『AKIRA』への参加は井上のキャリアの重要なターニングポイントであり、以降、さまざまな作品に参加することで技術を確立させていきました。

2001年には、Production I.Gにて若手アニメーターを指導する「井上塾」を立ち上げ、育成にも努めています。近年では、劇場アニメ『地球外少年少女』や、宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』において原画を担当するなど、精力的な活動を続けています。2024年には自身の対談集を出版する予定であり、さらなる注目が集まります。

参加作品

井上の仕事は多岐にわたります。主な参加作品には、テレビアニメ『ストップ!! ひばりくん!』や『Gu-Guガンモ』、劇場版『AKIRA』や『魔女の宅急便』、さらには『おおかみこどもの雨と雪』や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』などがあります。また、アニメ業界の発展に寄与するため、日本アニメーター・演出協会の理事としても活動しており、クリエイターとしての視野を広げていることも特徴的です。

最後に

井上俊之は、アニメーションの美しさとリアルな表現を追求し続ける実力派アニメーターとして、多くの作品に影響を与えています。その独特なスタイルと理論は、次世代のクリエイターたちにも受け継がれることでしょう。

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