井上光俊

井上光俊の生涯

井上光俊（いのうえ みつとし）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活動した武将であり、毛利氏の家臣でした。彼の生涯は、戦国の激動の中で展開され、数多くの戦に参加し、毛利家に貢献したことが特徴です。

生い立ちと初期の活動

光俊は明応9年（1500年）、毛利氏の家臣である井上勝光の四男として生まれました。幼少期から武士としての教育を受け、特に戦における武勇に力を入れていたと考えられます。彼は毛利興元、幸松丸、元就、隆元の四代にわたって仕え、その中で数々の戦果を上げました。

主な戦歴

光俊が武将として名を馳せたのは、まず永正13年（1516年）5月3日に行われた宍戸氏攻めから始まります。この戦では彼は立派な役割を果たし、以後の戦でもその実力を発揮しました。特に、永正14年（1517年）10月22日に行われた有田中井手の戦い、さらに天文9年（1540年）から天文10年（1541年）にかけての吉田郡山城の戦いにおいても、彼の武功は際立っていました。これらの戦闘では、彼の勇敢さが認められ、毛利元就から感状を受け取っています。

元就の看病と粛清

天文18年（1549年）5月、毛利元就が山口で病気に伏せっている際には、光俊がその看病を行ったことが伝えられています。彼の忠誠心と人間性がうかがえる一幕です。しかし、天文19年（1550年）には毛利元就の命により、甥である井上元兼をはじめとした安芸井上氏の一族30余名が誅殺されるという事件が発生しましたが、光俊は粛清の波から免れ、多くの家族同様の危機を乗り越えました。

晩年と後継者

彼はその後も安芸国高屋頭崎城の平賀隆保攻めに参加し、天文20年（1551年）9月4日に功績を上げたことで、再び元就と隆元からの感状を授与されました。光俊は戦国時代の終焉を迎える頃、すでに高齢となり、天正3年（1575年）に76歳でこの世を去りました。彼の嫡子である元治はその後を継ぎ、井上氏は毛利家の一員としての地位を引き継ぎました。

参考文献

光俊の詳細な生涯や功績については、舘鼻誠の著作『元就・隆元家臣団事典』や、異なる視点からの情報を提供する『萩藩閥閲録』などの資料が参考になります。これらの文献を通じて、彼の武士としての生涯や毛利家における重要性を知ることができるでしょう。

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