井上泰治

井上泰治（いのうえ やすじ）

井上泰治は、1954年1月26日に福岡県福岡市で生まれ、2020年12月23日に京都市で逝去した日本の映画監督、シナリオライターです。時代劇を中心に数多くの作品を手がけ、その卓越した演出力と、後進の育成にも力を注いだことで知られています。

経歴

1978年に立命館大学法学部を卒業後、映画の世界へ足を踏み入れました。宝塚映画でのアルバイトを経て、フリーの助監督として東映京都撮影所に所属し、斎藤光正、山内鉄也といった名匠の元で演出を学びました。1991年には「長七郎江戸日記」で監督デビューを果たし、その後「水戸黄門」や「大岡越前」など、数々の人気時代劇の監督として活躍しました。

井上監督は、自ら主宰した『関西時代劇ワークショップ』や『時代劇塾』、京都造形芸術大学などで後進の指導にも情熱を注ぎました。時代劇の魅力を初心者に伝え、時代劇俳優の所作や演技指導を通じて、多くの才能を育成しました。

2020年12月23日、肺がんのため京都市内の病院で66年の生涯を閉じました。

主な監督作品

テレビドラマ

『水戸黄門』
『大岡越前』
『江戸を斬る』
『半七捕物帳』
『長七郎江戸日記』
『さむらい探偵事件簿』
『江戸の用心棒』
『あばれ八州御用旅』
『逃亡者おりん』
『国盗り物語』
『名犬フーバーの事件簿』
『お江戸吉原事件帖』
『密命 寒月霞斬り』
『松本清張 球形の荒野』

映画

『ヒョンジェ』(2006年、兼脚本)
『戦国の勝者』(2015年、兼脚本)
『すもも』(2016年、兼脚本)

主なシナリオ作品

『水戸黄門』
『大岡越前』

井上泰治監督は、時代劇というジャンルに深い愛情と情熱を注ぎ、数多くの名作を生み出してきました。その作品は、時代劇ファンのみならず、多くの人々に愛され続けています。また、後進育成への貢献も大きく、多くの才能ある人材を輩出しました。彼の遺した功績は、日本の映像史に深く刻まれています。

参考文献

『日本映画人名事典 監督篇』キネマ旬報社、1997年11月、106頁。ISBN 4873762081

外部リンク

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