井筒造船所

株式会社井筒造船所について

株式会社井筒造船所（いづつぞうせんしょ）は、長崎県長崎市に本社を構える造船及び船舶修繕の専門企業です。この会社は、1927年6月に創業し、それ以来、漁船や小型の内航船の建造と修理を主な業務として行っています。特に、沖合漁業向けの漁船や500総トン以下の小型フェリーの建造において独自の特徴を持っています。

会社概要

株式会社井筒造船所は、当初から地域社会に根差した事業運営が特徴で、2019年には日本中小型造船工業会から退会していますが、その間も国土交通省から舶用内燃機関サービス・ステーション（SS）の証明を取得するなど、技術と信頼性の向上に努めています。また、同社は福利厚生の一環として、敷地内にあるフットサル場「井筒WING STADIUM」を一般向けにも開放し、地域住民のスポーツの場を提供しています。

近年、同社が東京都向けに建造した漁業調査指導船「やしお」は、省エネ性能と厳しい海洋環境下での調査能力の両方を最適化した設計が高く評価されました。この船の設計には、機関部の遠隔監視機能や船内システムの遠隔更新が組み込まれており、2019年には日本船舶海洋工学会のシップ・オブ・ザ・イヤー2019で、漁船・調査船部門賞を受賞しました。

主要設備

株式会社井筒造船所の施設には、以下の主要な設備があります。

• - 新造船台: サイズは70m×17mで、最大建造能力は999GTです。
• - 修繕船台: 41.5m×7.9mのサイズで、修繕能力は300GTです。
• - 浮ドック: 最大船舶入渠能力は1,100GTを誇る80m×16mの浮ドックです。
• - クレーン設備: 45tのジブクレーンが1基、15tが1基、10tが4基設置されており、門型クレーンも5tと2.8tそれぞれ1基ずつあります。
• - 同時修理能力: 接岸した状態で同時に6隻の修理を行うことが可能です。

沿革

会社の歴史は長く、以下にその沿革を示します。

• - 1927年: 現在の地で創業。
• - 1936年: 株式会社井筒兄弟造船所として法人化。
• - 1942年: 戦時体制下の統合により株式会社長崎造船所が設立。
• - 1948年: 戦時体制を解消し、元の企業体制に復帰。
• - 1952年: 社名を株式会社井筒造船所に変更。
• - 1956年: 鋼船の建造・修理を開始。
• - 1969年: 隣接する旧上戸造船所の跡地を取得し、第二工場を設立。
• - 1973年: 山一石油戸町の用地を取得し、第三工場を設立。
• - 1985年: 長崎製氷株式会社の工場用地を買収。
• - 2001年: 建設業許可を取得（土木工事業・鋼構造物工事業）。

株式会社井筒造船所は、長い歴史の中で地域に深く根付いた造船会社として、地元産業の発展に寄与し続けています。

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