交響曲第3番 (ショスタコーヴィチ)

ドミートリイ・ショスタコーヴィチが1929年に作曲した交響曲第3番 変ホ長調『メーデー』（ロシア語：Первомайская）作品20は、彼の初期の交響曲であり、社会主義革命の祝祭であるメーデーをテーマにした作品です。

概要

この交響曲は、第2番に続いて単一楽章で構成されていますが、大きく5つの部分に分けることができます。最終部にはセミョーン・キルサノフ作詞による合唱が用いられています。内容や演奏形態において、第2番と共通点が多いものの、自発的な動機で作曲された点や、メーデーの祝祭的な雰囲気を表現するために労働歌などの親しみやすい旋律が引用されている点が異なります。また、前作に顕著だった前衛的な要素は抑えられています。

ショスタコーヴィチ自身は、この作品について「全世界のプロレタリアートが連帯するこの祝日の雰囲気を伝え、ソヴィエト連邦の平和な建設を表現しようとした。闘争や熱意、そして『継続の精神』が、この作品全体を通して表現されている」と述べています。

しかし、西側諸国では、社会主義を賛美する歌詞や表題のために、プロパガンダ音楽として敬遠され、長らく演奏される機会が少ない作品でした。現在では第2番の演奏頻度は比較的増加していますが、第3番は依然として演奏頻度が低いままです。

初演

1930年1月21日にレニングラードのゴーリキー文化宮殿にて、アレクサンドル・ガウクの指揮、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団によって初演されました。

楽器編成

木管楽器
ピッコロ1
フルート2
オーボエ2
クラリネット2
ファゴット2
金管楽器
ホルン4
トランペット2
トロンボーン3
チューバ1
打楽器
ティンパニ
小太鼓
シンバル
トライアングル
大太鼓
タムタム
グロッケン
弦楽器
第1ヴァイオリン
第2ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ
コントラバス
コーラス

曲の構成

この曲は単一楽章ですが、以下の5つの部分に分けることができます。演奏時間は約30分です。

1. Allegretto：序奏
2. piu mosso-Allegro：主部
3. Andante
4. Allegro-Largo
5. Moderato：合唱 「最初のメーデーの日に」

各部分はいずれも4分の4拍子で構成されています。

外部リンク

歌詞　ロシア語歌詞
歌詞　英・仏・独訳およびロシア語歌詞（ラテン翻字）
Shostakovich：Symphonies Nos．3 & 10（英語） - 『Presto Classical』より《当作品の演奏音源サンプル掲載有り（ページ中程）》
Video interviews：Valery Gergiev introduces Shostakovich's symphonies（英語） - 『gramophone.co.uk』より《ショスタコーヴィチの交響曲全15曲各々について実施した、指揮者ゲルギエフへのインタビュー動画集》

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